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【映画レビュー】生涯のベスト『L.A.コンフィデンシャル』

L.A.Confidential

初めて映画館で鑑賞した時の感動を忘れることができません。これぞ映画!と拍手喝采を贈りたい、映画史に残る現代版フィルム・ノワールの傑作です。

『L.A.コンフィデンシャル』は、ジェームズ・エルロイの『L.A.四部作』の第3部が原作ですが、それを名手カーティス・ハンソンが大胆かつ緻密に脚色し、完璧な脚本と映像に仕上げました。

1950年代のロサンゼルスが舞台となっており、ナイトアウルというカフェでの大量殺人事件を中心にストーリーが展開していきます。

対照的な3人の刑事がそれぞれ捜査を進める中で、ロサンゼルス市警内部の腐敗や陰謀に直面するが‥‥。ストーリーはそれ以上知らないほうが絶対楽しめるはずです。あっと驚くような、息もつかせぬスリリングな展開が待ち受けています。

3人の刑事を演じたラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ケヴィン・スペイシーが複雑な人間模様を見事に表現し、物語に深みを与えています。本作でアカデミー助演女優賞を獲得したキム・ベイシンガーも、男たちの熱いドラマの中で紅一点の妖艶な存在感を示しています。

本作は単なる犯罪映画ではありません。人間の業、正義や倫理の葛藤を巧みに描き出し、観る者に深い余韻を残してくれる、上質な人間ドラマです。

まさに、《生涯のベスト》にふさわしい一本です。

読み応えのありそうな長編ノワール小説です。


※最近、stand.fmでも映画や音楽の話をしています。良かったら聴いてみてください。https://stand.fm/channels/6655ca62316143a771ce9aa6

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