『魔女こいにっき』との相性が少し悪かったかも?という感想
『魔女こいにっき』を完走しました。
全体を通して物語に対してメタ的、それでいて要所要所で物語らしい良作。ノベルゲームであることを活かした諸々がかなり効いていました。
そしてこの作品、読み手と作品との相性の振れ幅が非常に大きい気がするので、そんな話を書いてみます。下振れて悲しかったのでね……。
美少女ゲームの代表的な読み方として疑似恋愛的な読み方があるでしょう。あるいは「キャラ萌え読み」と言っても良いかもしれません。いわゆる「キャラゲー」をプレイする場合なんかは、特にこのような読み方になりがちではないでしょうか。
そして本作には、このような読み方で様々なノベルゲ―ムをプレイするプレイヤーと、そのプレイヤーが攻略していくヒロイン達、ひいては美少女ゲームのメタファーのような作品であるという読み方があるみたいです。(投票数順に批評空間感想を読んでいくと、そういう感想を書いている方が何名か見つかると思います。)だからこそ、本作の「メッセージ性」的な部分を楽しめた人はそういう読み方をしている人が大半であるような気がしますし、作品側もそのようなプレイヤーがターゲットであるように思えます。一つ目のTRUE(ありすルート)を終えてタイトルに戻ると「すべてのヒロインを攻略しました」みたいなメッセージが表示されるあたり、すごく意図を感じますね。
なので、この作品の「メッセージ性」的な部分がハマるかどうかは普段のノベルゲ―ムの読み方によって大きく変わると思うのですよね。そういう意味で言えば、私は当事者ではない(ないと思っている)ので微妙に楽しめなくてちょっと損した気になってます。体感はもう少し批評空間の標準偏差の値が大きいです。シナリオ面の評価が良くて得点が下振れにくいのかも?
「確かなものなんてない。だから人は……いや、俺は、物語を求めるのかもしれ ないな。そこには永遠が閉じ込められているから」というセリフのような永遠と物語に関する話が結構あるので、これももう少し前なら楽しめた気がします。総じて、消化不良な感じです……。
それでも最低限シナリオは楽しめたのでおーけーです。