妻が急変したら、心臓マッサージできますか?
急変した患者さんのその後は…
ひとつ前の記事に書いたのですが、昨日の外来は滅多にない急変でバタバタしました。
心拍再開させた後、救急車で専門病院に送り、意識は復活しているとの報告がありました。
本当に良かった。
定期的にやっている研修の成果が出て、恵まれた…って感じです。
なかなか恵まれない急変時の対応
恵まれたっていうのも、病院にきてある患者さんの多くは70歳以上の高齢者がほとんどで、急変されてもそのまま…というケースばかりなのです。
たくさんの時間や労力を費やしても、守れる命がなければ萎えてしまいますよね。
そんな意味でも急変した患者さんが意識を取り戻したっていうのは、ぼくらみたいな小さな町の小さな病院の外来チームとしては大きな成果なんです。
とにかく、心臓マッサージ
もし街中で人が倒れていたら、あなたは心臓マッサージできますか?
まず倒れている人に呼びかけても反応がなければ、大きな声で応援を頼んでください。
そして首の動脈を触れながら、呼吸をしているか胸の動きをみます。
脈が触れない、呼吸していない(またはしゃくりあげるような異常な呼吸)があれば心臓マッサージです。
救急車任せにはできません。心拍停止して10分以上放置してしまうと救命率は絶望的になります。救急車を呼んできてから心臓マッサージをお願いしてたら到着した時には10分経ちます。
救急車がくるまでとにかく、マッサージなんです。
途中で「ボキッ」と胸の骨が折れることもあります。
でもやり続けるしかありません。
心臓マッサージが、全身に血液を送る一番原始的な手段。
やめたら心拍停止と一緒。
マッサージしている時だけが、生きている時と同じ状態です。
だからとにかくマッサージするしかないんです。
人命と同じくらい、家族への連絡を
あなたの家族が急変したらどうしますか?
もしも我が家で妻が急変したら、救急車にスピーカーホンで電話しつつ心臓マッサージします。救急車が来たらドアを開ける。この時まではとにかく車で信じてマッサージです。
延命措置をするかどうかの判断は本人の意思が確認できない以上、家族にしかできません。確認が取れないうちは、意識がもどるまでやり続けるしかないです。
家族の存在って、めちゃくちゃ大事。あなたを守ってくれるのも、一緒に幸せを感じてくれるのも家族。
急変はいつ起きるかわからないから急変です。今日も生きててくれてありがとう、って感謝して毎日を過ごしていきましょうね✨