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学生寮(ドミトリー)か、コンドミニアムか 人生の分かれ道

昭和生まれ、57歳の英語が苦手なのおじさんが、1カ月間フィリピンのセブ島で英語留学してきました。そこで見たり経験したことで、他の方のお役に立ちそうなことを書き記しておきます。誰かのご参考になれば幸いです。
今回は、宿泊施設の選択と、学生寮の生活を便利にするマメ知識です。


コンドミニアムの長所と短所


大げさなタイトルをつけましたが、どこで寝泊まりするかは、食事と同じくらい大事な問題です。
選択肢としては、学生寮(ドミトリー)、学校紹介のコンドミニアム、社会人であれば近隣ホテルという選択肢もあるかも知れませんね。

QQEnglishのサイトでも詳しく紹介しています。
「留学生活を支える宿泊施設」
「学習プラン・料金一覧」
私は「35年ぶりに学生気分を楽しもう」という考えで、まずは学生寮。我慢できなくなったら後半はコンドミニアムに移ってもいいなと思っていました。
実際には、2週目でお腹を壊してしまい、余裕が出来た3週目にはもう残りの日数も見えて来たので、結局最後まで学生寮暮らしでした。
(私より年上で学生寮暮らしの方もいらっしゃいました)

公園の向こうに見えるのがコンドミニアムのひとつ

従って、コンドミニアム暮らしについて詳しいことは語れないのですが、友だちの部屋の写真を見せてもらうと、広々としてうらやましい気持ちがしました。
学校からも徒歩10分程度と、クールダウンするにはちょうど良い距離です。途中にショッピングモールやスーパーもあるので便利です。
バスタブは無いそうですが、施設によってはプールがついているようです。
公園に近いコンドミニアムは眼下に緑が広がって気持ちがいい反面、ナイトマーケットが深夜まで賑やかで眠れない、という面もあったようです。
施設の築年数はそれなりなので、20階以上の部屋での小バエが気になるという人もいました。
自室で料理することは、あまりないみたいです。

学生寮のいいところ

学生寮はコロナ禍の期間に新しくされたらしく全体的にきれいで清潔です。
善し悪しは色々ありますが、まずは良いところからご紹介していきます。

施設が新しい
施設内はピカピカで明るい雰囲気です。
清潔で、虫に悩まされることもありません。
毎朝、働き者の女性が熱心にモップをかけてくださっています。
個室は身長の高い人でも安心して手足が伸ばせるほどの広さがあります。

とにかく近い
レッスン用のブースやカフェがある学校フロアと学生寮は、ビルの階段室を挟んで同じ階にあります。
レッスンの合間の10分間の休みの間にも忘れ物を取りに自室に戻ることが出来ます。
学校フロアのトイレは学生寮と反対側の一番奥にあります。短い休憩時間の間に、寮生はどちらでも近い方のトイレを使うことが出来ます。これは意外と大きな利点です。
授業が終わったあと、自室で一眠りしたあとで夕食をとりに学校へ戻ることも簡単です。
朝食時も、カフェが混み合う前に食事を済ませてから、学生寮に戻って準備をすることが出来ます。

階段室を挟んで左が学校、右が寮。ドアが狭くてぶつかりそうになるので注意。

費用が安い
公式サイトには1泊「$15〜$5」とあるのですが、請求書の明細を見返したところ、宿泊費がいくらかは明確には分かりませんでした。

治安は良い
学校から一歩も出ないで生活できるのだから当然です。
寮内でも、物が無くなったり、取られたりといったトラブルはありませんでした。
みんなそれなりのお金を払って勉強目的で来ている人達の集まりですから、当然といえば当然ですが。
(シャワールームに私物を置きっぱなしで迷惑な人はいましたがw)

自室のドアのロックは自分で設定した数字をいれる仕組みです。桁数が多いのと、しばしばエラーになるので、歯磨きやトイレくらいだっったら空気の入れ換えも兼ねてドアを小さくあけておくことおが多かったです。
(正しい数字を入力してもエラーになる場合、スライド式のドアがきちんと閉まりきっていない可能性があります)

学生気分を満喫
これこそ、学生寮の魅力とも言えるでしょう。
現役大学生たちと生活をともにして、わちゃわちゃ喋ったり、励まし合ったり。コンドミニアムの一人暮らしでは得られない体験です。
かといって年配者が肩身が狭いかといえばそんなことはなく、私より年上の人も何人かいらっしゃいました。

満室にはならなかった
3月に入るとカフェの食事を取るのにも10分くらい並ぶほど人が増えましたが、学生寮が全て満室になることはありませんでした。

学生寮の困ったところ

一方で、困ったこともありました。

ベッドが硬い
一番大きな悩みは、ベッドの硬さです。マットレスが薄いのです。若い人なら苦にならないのかも知れませんが、年配者には苦痛です。
どれくらい固いかというと、ベッドから起きるときはマット運動のように、膝をかがめて伸す勢いでぐるんと回るようにして上半身を起こしていました。
あっというまに背中がガチガチになり、何度もマッサージに通いました。
入口の高さをみると、マットレスの厚みの倍くらいあります。後知恵で考えると、自分でもう1枚マットレスを買って持ち込んでみたら良かったのかも知れません。ちょっと過激すぎますか?
3週目の途中までは大丈夫だったのですが、4週目はかなり眠くて、カランの授業で半分意識が飛んでました(笑)。

出入りがいちいち面倒
外に出るときはベッドからすべり降りるような訳にはいかず、敷居のような板をいちいち乗り超えなければならないので、いちいち穴からくぐり出るような形になります。腰痛持ちの人には、とてもお勧めできません。
私の部屋の場合は、この敷居の板がひび割れていて、出入りの度にギシギシ音を立てていました。

2階の人は部屋のロック(ナンバー式)が壁の高い位置にあるため、片手でハシゴにしがみついてまま、片手で番号を入力してロック解除をしなければなりません。
荷物を持っているときは、さらに不便そうでした。

個室に空気がこもりがち
通風口があまり大きくないので、熱気や匂いがこもりがちです。
私は芳香剤がわりにりんごを飾っていました。

濡れたタオルを部屋に干しても、なかなか乾きません。

音が響きやすい
壁が薄いです。

学校に近い部屋は行き来には便利なのですが、シャワー室の音や人の話し声などが壁と通して聞こえて来ます。

夜眠れないでいると、ベッドがギシギシとなります。
他の部屋からも聞こえて来て「ああ、他にも眠れない人がいるんだなあ」と思ったり、うるさいんじゃないかあと気になってそっと起き出して共有スペースで予習を始めたりしました。

隣の部屋の人が思いきりドアをあけると、MRIに入ったかのように四方八方からドカン! と音が響きます。

自習室に朝日が直撃
男性の寮はビルの東側にあって、共有スペースの窓際のカウンター席が並んでいます。外の景色が見えて気持ちがいいのですが、午前8時を過ぎると窓ガラス越しの朝日が強烈すぎて、とても勉強出来ません。一応、日よけのスクリーンがあるのですが力不足です。
自衛策としては、ひとつだけ窓ガラスではなく壁に面した席があるので確保できれば最高です。次は、いちばん手前の柱の側の席だと、朝日が向かいの高いビルの影になるので少しだけ長く頑張れる、というくらいでしょうか。
運営会社が、もっと遮光性の高い日よけ対策をしてくれたらいいのになと思います。

寮生活をより快適に過ごすために


騒音にはお互い気をつけましょう

寮には午後10時から8時までは大声などを避けて静かにするよう注意書きが貼ってあります。
隣のベッドの人と起き抜けに顔をあわせてて、囁き声で「おはようございます」と挨拶するなど、基本的には周囲に気を配っている人が多かったと思います。
それでも、お酒を飲んで帰ってきた人が(本人には悪気はないのでしょうが)声が大きくなったり、生活音が大きくなってしまうことがあります。
密閉型のヘッドフォンをつけてオンライン会話をしていて声が大きくなったり、スマホのスピーカーモードで会話が筒抜けだったりという人もいました。
人の振り見て……気をつけたいものです。

洗濯物は翌日に帰ってこないことがあるので要注意
洗濯物は男性が月曜と木曜、女性が火曜と金曜が受付日です。
備え付けのカゴに1杯(5キロ以内)で200ペソ。基本的には翌日の夕方には出来ていますが、翌々日になることもあります。
アテが外れて2日間同じ服を着た人や、パジャマをそれらしく着こなして乗り切った人がいました。服のローテーションは余裕を持っておきましょう。

洗濯物の洗い上がりには特に不満はありませんでした。
洗ってあるだけで、プレスはありません。

学校の近くにも何軒かクリーニング屋さんはあるようで、40~60ペソくらいでやってもらえるようでした。コンドミニアム暮らしの人や、寮生活の人で少しでも節約したい人はあれこれ情報交換をしていました。
ただ、日本円に換算したらそれほど大きな金額差ではなく、利便性を考えていつも寮で出していたので、詳しい話は分かりません。

冷蔵庫の食べ物、飲み物は定期的に処分される
寮には大型の冷蔵庫があり、学生のジュースや果物など、様々なものが淹れてあります。飲みかけのアイスラテ、食べかけのフタが開いたヨーグルトなんてものも見かけます。かなりフリーダムな状態。
その代り、毎週日曜日の12時から15時の間に一掃されます。
私が買っておいたヤクルトやレッドブルが無くなってしまったのは、誰かに飲まれてのではなく、きっとこれに引っかかったのでしょう。
(日曜日の日中に寮にいたことが無いので目撃はしておらず)
どうぞ、お気をつけください。

シャワーを使うときの裏ワザは……

全体的に真新しい印象のある学生寮ですが、水回りはあまり良くありません。洗面台はよく水が溜まっていたし、トイレは詰まりがちでした。ただ、掃除は頻繁に入っているので、それほど困ることはありませんでしたが。
特にシャワーは風邪を引かない程度の日なた水くらいにしか温度が上がらず不満の声が多かったです。
「最初だけ熱いお湯が出るでしょ。水量をちょっと絞れば、温かいお湯が出て来ますよ」
という人もいたのですが、私は帰国までにその裏ワザを体得することが出来ませんでした。真偽のほどは、ぜひご自身でお確かめください。

一番手前と奥が使用頻度が高いのか不具合が出やすいようです。
一度、いちばん奥のシャワーを使っていたら、全身泡だらけになったところで水がピタっと止まってしまいました。
幸い誰も使っていなかったので、こっそり隣のシャワーブースに移って事なきを得たのですが……焦りました。

トイレはウォシュレット付き、と言えなくもない
トイレはウォシュレット付きでないと……という人がいると思いますが、寮のトイレには一応、主導のシャワーが付いています。
(学校のトイレはパナソニックの洗浄機能つきトイレです)

フィリピンではトイレの紙は水に流しません。
便座の隣にあるゴミ箱に入れます。
頻繁に掃除が入るため、臭い、汚いという感じはあまりしませんでした。
夜中にトイレに入るとトイレットペーパーが切れていることがあるので要注意です。脱衣カゴ置き場の白い棚に予備のロールがあるので落ち着いて。

洗面所にハンドソープは常備されているので、日本からの持参は不要です。

朝食時の服装チェックは厳しくない
学校が入ってる建物はビジネスビルなので、服装については規定があります。ビルの入口にはガードマンがいます。
校内にも服装についての注意書きが貼ってあります。

ただ、朝食時に起き抜けでご飯を食べに来る学生については、お目こぼしされている様子でした。短パン、サンダル姿でご飯を食べてから寮に戻って準備を始める人も多かったように思います。

バナナは命綱

私は夜は早めに寝てしまって、朝早くに勉強することにしていました。
夜は自習用の机が混み合っていて、周りでは歓談している人もいます(学校の夕食後のカフェで勉強する人もいました)。
また、ベッドがあわずに夜中に目が覚めることもあって、そんなときは早めに起きて、後で仮眠を取ることにしました。
それに、朝4時、5時と言っても、日本時間で考えたら5時、6時なので、日本での通常の生活と比べたら特に早いことはありません。
静かで集中できるし、他にちらほら見かける別の学生の姿には励まされる気がします。
ただ、学生寮が深夜0時から朝5時までは入寮禁止です。出ることは可能ですが、入ることは禁止されています。お腹が空いたからと、うかつにコンビニに出掛けられません。
そこで、食事の際に出たバナナを常に1本持っておいて、起き抜けの栄養補給に使わせてもらっていました。
(自室内は飲食禁止です)

一番奥のソファーは寝心地がいい

共有スペースの一番奥にあるソファーは横になっても手足が充分に伸ばせる大きさがあります。自室のベッドより、ずっと寝心地がいいです。ここで仮眠を取らせてもらうこともありました。

さあ、現地での生活イメージが具体的になってきたでしょうか。
次回は、
第4回 セブ島留学が決まったら(予習の教材は? 持っていくべきものは?)
です。

学校が入ってるビルの正面側

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