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しゃべりたいふたり〜第7回 脚本家に朝ドラ『ブギウギ』の裏話を聞いてきた
かおり:ちょっと前に万城目学先生の講演会に行った話をここでしたわけだけど(しゃべりたいふたり第4回)。。。
やすこ:面白かったね!そうそう、あの時サインしてもらった万城目先生の『八月の御所グラウンド』が直木賞獲ったね!
かおり:ね!いや〜、めでたい。万城目先生おめでとうございます!
やすこ:おめでとうございます。なんだか我々も嬉しいよね
かおり:ホント。そしてやっぱり面白いものを書く人は話も面白い。ということで、またしても作家さんのトークイベントに行ってきました
やすこ:朝ドラ『ブギウギ』脚本家の足立紳先生のトークイベントね
かおり:『ブギウギ』観てた?
やすこ:もちろん!面白かったよねー
かおり:だよねー。趣里ちゃんよかったよね!
やすこ:オーディションで見た趣里ちゃんの演技が面白くて、その後は趣里ちゃんをイメージして書いたら筆が進んだって言ってたよね。本当にぴったりの配役だった
かおり:うんうん。そんな感じで『ブギウギ』の裏話を、参加者の質問に答える形でいろいろ教えてくれたんだよね
やすこ:ゴンベエさんは季節外れの桃をどこから持ってきたのか、とか、東京の下宿先のご夫婦はどうなったんだ、とか
かおり:羽鳥先生の『トゥリー、ツー、ワン』というセリフは実は時代的には合ってないけど、こだわりを押し通したって話とかね
やすこ:当時は普通「イチ、ニ、サン」だったのをね。しかもスリーじゃなくてトゥリー(笑)
映画『セッション』のオマージュだったとはね!
かおり:ドラマにおける脚本家の権限って結構強いのかと思ってたけど、実際は演出家や製作陣の意向で、必ずしも意見が通るわけじゃなかったみたいだね。セリフをカットされたり
やすこ:まあ時間内に収めることがまず絶対必要だし、製作費の問題もあるからねえ
かおり:おでん屋のおじさんの再登場がなかったのも、そのあたりって言ってたよね。私はきっと再登場があると思ってたから残念だったんだけど
やすこ:最終回の引退コンサートに今までの出演者が全員来るって案を考えたけど、一旦出番が終わった役者さんのスケジュールを全員分押さえるとか無理です!って製作陣に言われたと。考えてみたらそりゃそうだよね
かおり:見てみたかったけどねー。全出演者勢揃いの大団円。
いやあ、それにしてもいいドラマだったよ。半年間楽しませてもらった
やすこ:正直、ドラマ観ているときは脚本家が誰かなんて意識してなかったけど、実は私『拾われた男』ってドラマも好きだったんだ。これも足立紳先生の作品だったの。後から知ってびっくり!
かおり:たとえば三谷幸喜さんくらい知名度のある大物作家だと『〇〇脚本』ってことが話題になるけど、そうでもなきゃ普段は脚本家までなかなか意識しないよね
やすこ:足立先生が注目されるきっかけになったのは2014年公開の『百円の恋』だから、脚本家として知られるようになってからまだ10年くらい?
かおり:40代前半でやっと脚本家として芽が出たんだよね?下積み長っ!
やすこ:結婚して子供もいるのに、バイトも週1回の100円ショップだけで、ほぼヒモだったという話だったね
かおり:本人はスーパー主婦だったって言ってたけど(笑)
やすこ:途中から登壇された奥さんがその話を軽く一蹴してたけどね(笑)。あの奥さん、よかったよね〜。明るくて強くていいキャラクター。花湯のツヤさんみたいだった。
かおり:あ、それ言ってたよね。ツヤさんは足立先生の奥さんとお母さんのキャラクターを投影した人物だって。
やすこ:お母さんもすごい人っぽいよね。お嫁さんに向かって「うちの子と結婚出来て本当によかったわねえ」って、全然売れなくてヒモ同然の状態の時でも言ってたという。。。
かおり:そういうお母さんに育てられたから、売れない状態が何年続いても自己肯定感が高いままでいられたんだよね、きっと。
やすこ:全然へこたれないって奥さんが言ってたもんね。朝ドラもあれだけ評判がよかったのに、わざわざ#ブギウギ反省会でエゴサして、批判的な意見ばっかり見てたって言ってたよね
かおり:誰に何を言われても自分の根幹が揺らがない強さ
やすこ:自分の書くものに自信があるってことだよね。きっとさ、奥さんも100円ショップのバイトはお金稼いでほしいというより、社会とのつながりを切らないでほしくてやらせてたんじゃないかな
かおり:何年も信じて支え続けていたのは、やっぱり書いたものは売れる売れないに関わらずずっと面白かったんだろうね。興行的には全然だったって言ってた映画(『雑魚どもよ、大志を抱け』)も、予告編見せてもらったら面白そうだった。観てみたい!
やすこ:今回、個人書店さんでのイベントだったから参加者も20人弱だったし、距離も近くて、みんなでおしゃべりする感じで楽しかったね
かおり:足立先生もすごく謙虚でニコニコ笑顔の親しみやすいお人柄だったし、本当に楽しかった。またこういう機会があったら足を運びたいね