【日本むかしばなし】国葬でじゃゔ
むかしむかし…
ある男が高1の頃に、彼が中学時代に生徒会長だった友人が亡くなったとさ。
そいつは顔が広かったので、葬儀には同学年のほぼ全員と、他学年からも大勢が集まった。
しかし、本当に悲しんでたのはごく一部、残りは義理的な出席に過ぎない。
クソガキでごった返す葬儀場ロビーは、もはや同窓会のバカ騒ぎ。
なのに焼香の時だけ悲しいふり。
あれはヒドかったなぁ。
国葬でじゃゔ。
その日の帰り道、男はロードキルで原形すらわからなくなった(たぶん)ネコの死骸に遭遇した。
避けきれなかったタイヤが鳴らした「ビシャッ!」という音が忘れられない。
しかも、その場所は大きな霊園の真下を通るトンネルであった。
そんな四門出遊を経て、男は出家を決意しましたとさ。
ゆうやけこやけで、またあした。
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