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少年マンガと小池百合子はなぜ必殺技を叫ぶのか?

日本の少年マンガにはガラパゴスな伝統がある。

必殺技の名前を叫ぶことだ。




一体なぜ?何のために?


その理由がついに解明された。

社会的な証明が与えられたのだ。





必殺技の開祖と言われる『リングにかけろ』より






世界一売れたマンガ『ワンピース』より







首都の女帝による必殺技
『東京アラート©️』







もうおわかりでしょう?

必殺技を叫ぶ理由は「民意を得るため」だ。




マンガの主な読者である子どもたちに夢を与えるため…だけではない。

老若男女問わず、全ての国民にそれが有効だからだ。





外国人たちは、なぜ日本のマンガやアニメでは必殺技を叫ぶのか?と不思議がっているようだ。


しかし、政治家すらそれをやるのがクールジャパンなのだ




政治家たちは「自分はアニメのキャラみたいなもの」だと正しく認識している。

実際に小池百合子氏は、少年ジャンプ流としか思えないような必殺技の連呼をしてもなお、2024年に行われた都知事選で再選を果たしている。圧倒的な得票率にて。




つまり、必殺技の名を叫ぶと民意を得られる(少なくとも見切られない)ことが社会的に証明された。



彼女の競争相手だった石丸伸二氏も、奇しくも自身を「マンガ賢者」と名乗っており、同じようにジャンプ式の必殺技で議論相手をやり込める動画を流しまくることで支持を集めた。

ただし、真のマンガ賢者は小池百合子氏のほうだったようだ。



電通&集英社の入れ知恵?



◇◇◇





まだ大きな疑問が残っている。

『ギャラクティカ・マグナム』や『ゴムゴムの暴風雨 ストーム』はともかく、『東京アラート©️』とは、一体どんな必殺技なのか?






恐ろしいことに、東京都民の誰一人としてそれを知らない。

そもそも東京アラートには、なにかを制限したり、自粛を要請したりする機能はない。

ただ、感染者増加による警戒を呼びかけるだけのものだ。そのシンボルとして、東京都庁とレインボーブリッジがライトで赤く染まった。それだけだ。

以下記事より引用





しかし、なんの問題もない。

必殺技にはユニークな性質があり……









内容や理屈づけはどうでもよくて、なんとなくカッコよければそれでいいのだ。




前述したマンガ『リングにかけろ』のWikipedia記事では、その興味深い性質がこう説明されている。


登場するボクサーのフィニッシュブローは、当初は原理が説明されているものもあったが、次第に理屈付けは省かれて、技の名前を叫んだボクサーによって対戦相手が吹っ飛ばされる構図が、見開きや大ゴマで描かれるパターンが多用されるようになった。


https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%91%E3%82%8D





まさに『東京アラート©️』である。

まぁ技を食らってひっくり返ったのは対戦相手ではなく東京都民だったわけだが。



『リングにかけろ』で中身のない必殺技が描かれても人気が落ちなかったように、多くの都民はハリボテの必殺技『東京アラート©️』に魅了されてしまったようだ。

選挙の結果を見る限りは。



◇◇◇



まとめよう。

必殺技の名を叫ぶことは、政治的にも効果的なのだ。超カッコいいのだ。



週刊少年ジャンプにおける人気投票のみならず、東京都知事選でも圧勝できるほどのパワーを持つことが証明されてしまった。



マンガの世界ならともかく、世界有数のメガシティである東京都の政治にすら必殺技を持ち込むとは、わが国の恐ろしさに内なるアラートが鳴り止まない。





しかし、まだ救いはある。

最近はマンガの世界ですら、行き過ぎた必殺技の文化がネタにされているからだ。




以下は国民的漫画『ドラゴンボール(の続編)』の一節である。



『ドラゴンボール超』より





たいそうな名前をつけやがって







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詠み人知らず
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