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愛だけで生存競争に勝った生物、わんこのスゴさ

「最初に海に飛び込むファーストペンギンになれ!」



とよく聞くが、私はこう言いたい。

「最初に人間になついたファーストドッグになれ!」




だって、ファーストペンギンが何を達成したか、よく知らないでしょ?せいぜいシロクマに食われるリスクを背負っただけ。


しかし、最初に人間と仲良くなったファーストドッグは偉業を成し遂げている。




数万年かけて、イヌという種を世界中に大繁栄させたのだ!

それも、一切の暴力を用いずに。
わんダフル。



人間をメロメロにした奴らは、もはや絶滅する恐れなど微塵もない。しかも大部分が幸せそうに暮らしている。

もちろん、おイヌ様とて全てが順調だったわけではない。

虐待されまくったり、実験動物にされたり、食用にされたり、戦車を吹っ飛ばすために爆弾を背負わされたり…。


1931年に撮影されたソ連の対戦車犬たち。
2007年にもイラク戦争に投入されたとか



悲しいことはたくさんあった。
今でもなくなったわけではない。


それでもなお、犬っころ達は

人間への愛を貫いて

自らの種を繁栄に導いたのだ。



厚生労働省の統計によれば、令和4年における日本国内のイヌの登録件数はおよそ600万頭とある。


世界中の飼育数をカウントしたら、おそらく数千万頭には達するだろう。

つまり、小さな国の人口よりも、おイヌ様の方が数が多いのだ。もしイヌに選挙権が与えられたら、イヌの国がG7に入るかもしれない。



これは、生物として空前絶後の大成功である。

単なる生息数の多さであれば、最強の家畜であるニワトリに軍配が上がる。しかし、彼らのQOLはひどいものだ。戦いは数ではないのだよ、チキンたちよ。




ここで思い出して欲しいのは、人間になついた野生動物は、ほぼ確実に死ぬという悲しい現実だ。

実際に、観光地などで人にエサをねだることを覚えたキツネやサルは、大抵は不本意な最期を迎えている。

車に轢かれたり、危険だとみなされて駆除されたりね。



したがって、ファーストドッグは先駆者でありつつ、凄まじくラッキーな存在だったと言えよう。まさに起業家である。



そんなファーストドッグの偉業を人間に例えると、、

鬼ヶ島にたった一人で乗り込んで、ヤクザみたいな鬼たちをカワイさで籠絡した末に、一切の武力を使わずに子孫たちが幸せに暮らせる王国を築いたことになる。



ガンジーなんて足元にも及ばないほどの非暴力革命ではないか?

しかも、イヌには特に下心はなく、本能的に人に懐いた結果に過ぎない。狡猾な戦略ではなく、愛情深さの産物なのである。



まぁ、イヌ以外にも似たようなことができる動物はいるけれど、やはり奴らの実績は規格外だよね。

カカロット…お前がナンバーワンこ。



生物としてのブレイクスルーは、こうやって一部の変わり者が生み出すのだろう。

車に轢かれたハクビシンの死骸を見て、そんなことを考えた。

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