「死人」から生き返るための第一歩
『逃げる中高年、欲望のない若者たち (幻冬舎文庫)』 村上龍 を読んでの感想。
最後の書評にもあるように、現実的に社会の有り様を見据えたエッセイだった。私はこの中に登場するいわゆる「若者」に該当していて、まさに「死人」だと言うことを自覚した。再確認したと言っても良いだろう。今まで自分の中でモヤモヤしていた社会に対しての失望や将来に対しての悲観などが明確に文章で書かれているのはいい意味でショックだった。ただその現実的な物の見方は時に救われることもある。運や偶然で片付けられることなく、どのような歴史と社会により今の死人のような若者が形成されたのか理解することはこれから生き返るために必要な通過儀礼だと思う。当事者である「若者」としてこのエッセイに出会えたのは幸運であり、「死人」から生き返るための第一歩にすることをまずは目標としたい。
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