超怪作、激アングラ。カルト映画の金字塔 「ホーリー・マウンテン」
こんにちは。
今回は、初めて観た時に あまりに衝撃を受けた、最狂なカルト映画 アレハンドロ・ホドロフスキー「ホーリー・マウンテン THE HOLY MOUNTAIN」について。
ホドロフスキー監督の前作『エル・トポ』を観たジョン・レノンとオノ・ヨーコがぞっこんになり、二人が制作資金を援助したという映画です。当時のアメリカとメキシコの合同映画史上最大の150万ドルの製作費でつくられています。
これが、激ヤバ アングラムービーなんです。
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“カルト映画界の巨匠” アレハンドロ・ホドロフスキーとは
チリのボリビア国境近くの町に生まれたロシア系ユダヤ人。
彼の作品は他にも色々観ているけれど、、とにかくカナリ毒っ気が強い。ホドロフスキーの映画に共通するのは、エロ、グロ、マイノリティー。
そして、とんでもないカオス!!
91歳になった昨年も、23年ぶりの新作映画「リアリティーのダンス」を発表している、”生きる伝説のカルト映画監督”なんです。
「ホーリーマウンテン」概要
ある錬金術師が、選ばれた9人の男女と共に不老不死の秘密を探る旅に出る。奇才アレハンドロ・ホドロフスキーによる、芸術的カルトムービーの骨頂。エロティックかつグロテスクに表現された神秘的なイメージが画面に氾濫する。
もちろん映画なので、軸となる物語はあるけれど・・この映画に物語性を求めるべきでもないと思うので。。あらすじではなく、今回は”概要”で。
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前半はほぼセリフなし。視覚的芸術と常識に対するアンチテーゼ
この映画は、二部構成になっています。
まずは、前半。
エロ、グロ、そして破滅的な映像表現。サイケデリック。異様なムード。皮肉、比喩表現、異常行動。永遠カオスカオス。
濃厚…既に超絶ハイカロリー。
こんな狂わしくてサイケな世界観を作ったのは、反ドラッグ精神の監督。すごいよ。
映像に圧倒され続ける前半。
言葉による説明を極限まで省いた、”魅せる映画”
前半のアートムービーが落ち着き、少し物語が進み始めます。と、いっても世界観が変わるわけではなく、圧倒的カオスな映像表現は変わらずに。
だけど、わたしは、圧倒的に後半から引き込まれたなあ。
ざっくり言うと、イエス・キリスト似の盗賊男と錬金術師の男を中心とし、さまざまなコンプレックスを抱かえる7人の富豪が、さまざまな欲望と闘いながら不死を求めて 聖なる山 ホーリーマウンテンを目指すという物語。
作り込まれた美術セット。予算があるだけあって、すっごく手の込んだもの。CGでは出せないような、手作り感。
これ、みんなで塗ったんだろうなあ。。というように、目に浮かぶ現実感と、ぶっ飛んだイマジネーションの融合。
そして、高山病で苦しんだり、幻覚をみたり、誘惑に耐えてついに、ついに!”ホーリーマウンテン”へ辿り着いた!!!
そして———
今まで観させられた、あの映像たちは?詩的でクール。ヤバすぎるラスト。
正直、この映画観るのって、体力がいるんです。映像側からもパワー全開で来られるから、こっちもパワー全開で受け取らないと、すくい取れなくて。
だから、ラストが近づくにつれて、結構クタクタになるんですよね。
私も、ぼーっと観てたんです。何も考えず。あぁ、凄い映画だったなあ〜なんて。もう、ほとんど映画も観終わった気持ちでいたりして。
そしてラスト30秒…
呆然としたあとに………
!!!ヤバイ!!!ヤバ過ぎる!!!
夢の中で、夢だと気づいて、現実と夢の二つを意識させられたような。そんな感覚。
今まで観てきた映画のラストシーンで、一番の衝撃。疲れきってぼーっとしてた脳内に衝撃が走りました。
『当たり前を疑う』ことって、頭では分かっていても、実際 無意識てきに避けてしまってるんだと気付かされたな。
このラストがあったから、私はこの映画を高く、高く評価しています。詩的でクール。ロックさえも感じる。
まとめ
この映画は、監督・脚本・音楽・美術・衣裳、全てアレハンドロ・ホドロフスキーなんです。本当に、天才なんでしょうね。
そして、当時映画史上最大の製作費で、こんなに色んな意味でヤバ過ぎるアンダーグラウンドムービーを作ってしまうホドロフスキー監督をしっかり、尊敬。
エロやグロなシーンもたっくさん出てきます。もはや、コメディー?ってシーンも。正直、美しいとは言えません。人間の、美しい部分を表現してるわけではないと思うし。でも、決して悪趣味な映画ではないです。
社会風刺や反宗教的な表現も絡まるので、少し難解に思う部分もあるんだけれど、、。しっかり感じて、咀嚼できる人間になりたいな、と思う。
番人にオススメする映画でないことは重々承知ですが、ホドロフスキー監督の奇っ怪な脳内イメージを強烈に叩き込まれるのも、貴重な体験。
是非、元気のあるときに体感してもらいたい作品です。
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