「はなまっぷ」後藤有紀さん厳選! 子どもと一緒に行きたい 関東近郊の秋のお花スポット10選
子どもたちに綺麗なお花を見せてあげたい! でも、どこに行ったらよいかわからない……という親御さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日本の美しい花風景を紹介するサイト「はなまっぷ」の後藤有紀さんに、関東近郊にあるおすすめの秋の花スポットを教えていただきました!
栃木県 那須フラワーワールド【ケイトウ】
那須連峰を借景に彩り豊かな花畑
例年4月下旬頃から10月下旬頃まで、花の季節限定で開園しています。雄大に連なる那須連山を背景に、色どり豊かなお花畑が絵画のように広がる景色は絶景です。春はリナリアやルピナス、初夏はヘメロカリス、夏から秋にかけてはサルビアやケイトウなど、季節ごとに咲き変わる多彩な花々のリレーを楽しむことができます。
「季節ごとにさまざまな花が咲いていて、どの季節も訪れてほしいのですが、特におすすめしたいのがケイトウのお花畑です! あまり聞き慣れない名前のお花かもしれませんね。見られるのは園芸種ですが、原種は鶏の鶏冠のような姿をしているんです。他にはない個性のある花姿や、鮮やかな花色が魅力的。ケイトウで描かれたこちらの花畑は『花の地上絵』とも言われ、彩り豊かです。晩夏から10月上旬頃までと、見頃の時期が長く続きます」
埼玉県 巾着田【曼殊沙華(ヒガンバナ)】
幽玄な世界が広がる日本屈指の名所
平成29年に当時の天皇皇后両陛下が私的なご旅行で訪れたことでも有名な曼殊沙華の名所です。最寄り駅から徒歩約15分とアクセスも良好。多くの人が訪れるため、道路がかなり渋滞するので、できるだけ公共交通機関を利用されることをおすすめします。
「9月下旬頃になると、あたり一面が真っ赤に染まるほどの曼殊沙華で埋め尽くされます。その数はなんと500万本! うっすらと暗い木立の中に真っ赤な絨毯が広がる光景は圧巻です! 初めて訪れたときに、『曼殊沙華ってこんなにも美しかったんだ』と感動したのを覚えています。特に朝夕の太陽が低い時間帯に訪れると、斜めに差し込む日差しが曼殊沙華をより一層神々しく魅せてくれます。巾着田という珍しい名前は、かつては水田だった川に囲まれた土地が、巾着のような形をしていることから名付けられたそうですよ」
東京都 向島百花園【萩(ハギ)】
タイムスリップしたような居心地のいい場所
江戸時代に開園した庭園で、昭和53年に国の名勝及び史跡に指定されています。万葉集や日本の古典に詠まれている植物を鑑賞することができます。都会の中とは思えない、どこか懐かしさを感じる庭園は、ほっと落ち着くような居心地のよさがあります。
「百花園と名付けられている通り、スイセンやウメ、フジやアジサイなど四季を通して季節の花が咲いています。特に秋の七草が咲く季節は風情がありおすすめです。秋の七草、すべて思い浮かびますか? ハギ、オミナエシ、キキョウ、クズ、ススキ、ナデシコ、フジバカマですね! 百花園ではこれらの七草をすべて見られます。中でも9月下旬に見頃となるハギは、編んだ竹に沿わせてトンネル状に仕立てられています。30mもあるトンネルの中をくぐりながら愛でるハギの花は、素朴な美しさがあります。古き良き日本の秋を感じられる場所です」
東京都 町田ダリア園【ダリア】
華やかなダリアの花が思う存分楽しめる
住宅街の一角にあり気軽に立ち寄れるダリア園。関東以西では最大級で、およそ15,000㎡の敷地に約500品種、約4,000株のダリアが咲きます。園内にある噴水が、華麗なダリアをより一層引き立たせてくれます。
「赤、黄色、ピンク、オレンジ、白、など花色が豊富で鮮やかなダリア。シングル咲き(一重咲き)やデコラ咲き(八重咲き)を始め、ボール咲きやポンポン咲き、カクタス咲きやオーキッド咲き、スイレン咲き、アネモネ咲きなど、多彩な咲き方にも惹かれます。町田ダリア園の公式HPでも、『ダリアの花型のいろいろ』が紹介されているので、ぜひお出かけ前に予習してみてくださいね! 色や咲き方を見比べてみると、現地での鑑賞がより楽しくなりますよ。例年6月下旬から11月上旬までと、長く花を楽しめるのも魅力です」
長野 赤そばの里【ソバの花】
アルプスの麓が一面のルビー色に
ソバの花は白い色をしていますが、ここでは全国的にも数少ない赤いソバの花を見ることができます。「高嶺ルビー」と名付けられたこの品種は、1987年にヒマラヤの標高3,800mの場所から、日本に持ち帰り開発されたものだそう。例年9月下旬から10月上旬頃になると、およそ東京ドームほどもある広大な敷地が、一面ルビー色に染まります。
「ソバに、花が咲くことをご存知でしたか? 夏の終わりから秋にかけて、休耕田などを利用してソバを栽培している地域があります。ソバの名所信州もそのひとつ。あちらこちらで白いソバの花が咲く光景を見ることができますが、とにかく広大な赤いソバの花畑を楽しめるのはここだけ! 周囲を緑に囲まれているので、秋空の下のコントラストも格別です。
初めてソバの花を見る方は、特徴のある匂いが少し気になるかもしれません。クセになる匂いで私は好きですが(笑)。ぜひ花の匂いもお試しくださいね! 信州にはお蕎麦屋さんもたくさんあるので、ちょっとした旅行気分で花も食事も楽しむことができますよ」
埼玉 鴻巣市コスモスフェスティバル【コスモス】
見渡す限りのコスモスは首都圏最大級の規模
初夏はポピーが真っ赤に彩る荒川の河川敷。秋はコスモス畑に変わります。10月下旬頃の見頃の時期には「コスモスフェスティバル」が開催され、ステージイベントや地元の特産品の販売などで賑わいます。
「おすすめの理由はその数です! 約1,000万本ものコスモスが、爽やかな秋空の下で咲き乱れます。見晴らしのよい場所なので、晴れた昼間は青空とコスモス、夕暮れには茜色の空とコスモスなど、絵に描いたようなメルヘンな写真を撮ることができます。コスモス越しに見えるアーチ状橋を背景に撮影すると、より一層広さが伝わる一枚に。河川敷に降りて間近でコスモスを眺めるのもよいですが、堤防の上から見下ろすことができるのも、この場所ならではの魅力です。ピンク色のコスモスだけでなく、キバナコスモスなど、暖色系のコスモスも植えられていて、カラフルな色合いにも心が踊ります」
茨城 いばらきフラワーパーク【秋バラ】
花を愛でながらさまざま体験が楽しめる
2021年4月に「茨城県フラワーパーク」がリニューアルして生まれた「いばらきフラワーパーク」。約900品種のバラをたっぷりと堪能することができます。秋バラの季節は10月上旬~11月中旬。広い敷地内にはグランピング施設もあり、秋を感じる里山の自然の中で、子どもたちと一緒にゆっくりとした時間を過ごせます。
「秋のバラは、花数や大きさは春ほどの華やかさはありませんが、色濃く香りも豊かなのが魅力です。一輪一輪、色や香りをじっくりと愛でながらまわるのがおすすめです。押し花やドライフラワーなど、花を使ってものづくりを楽しめるワークショップも定期的に開催されています。自分たちで作った作品を、お土産として持ち帰れるのは嬉しいですよね! ちなみに、バラは茨城県の県花です。古称で『イバラ』と呼ばれていたことが、県名の由来になったそうですよ」
神奈川 小田原城菊花展【菊(キク)】
お城を眺めながら鑑賞する日本の国花
菊の花の展示は、この時期になると日本全国の城址公園などで開催される秋の風物詩です。小田原城の城址公園本丸広場では、例年11月上旬~中旬に菊の花の展示があります。天守閣などの史跡を見学できるのはもちろん、こども園地では豆汽車やバッテリーカーなどの遊具もあり、小さな子どもも楽しむことができます。
「日本の国花といえば、誰もが迷わず桜を想像するかもしれませんが、桜と同じく菊も国花として親しまれています。パスポートの柄や、天皇家の家紋に使われているように、昔から高貴な日本の花として愛でられてきました。菊の花は他の花畑とは少し異なり、生産者の方々が丹精込めて仕立てた菊の美しさを品評会のように競い合って展示されている様子を鑑賞します。『厚物』『管物』『だるま作り』『古典菊』など、菊の種類や仕立て方もさまざまです。花の咲かせ方にまでこだわる日本人の心や伝統美には、驚かされますよ」
千葉 東京ドイツ村【マリーゴールド】
晩秋に楽しめるビタミンカラーの花畑
ドイツの田園風景をイメージして造られたテーマパーク。東京ドーム約19個分の広大な敷地は、入場ゲートから車に乗ったまま園内を移動できます。季節の花畑だけでなく、スワンボートや観覧車などのアトラクションや、スポーツ、動物とのふれあいなど、様々な楽しみ方で過ごせます。
「春から秋まで長く楽しめるマリーゴールド。公園など身近な場所でも見られる花ですが、ドイツ村では10月中旬~11月中旬まで一面の花畑で贅沢に楽しめます。いろどりの丘に咲く約40,000株のマリーゴールドは斜面に沿って植えられているので、見上げれば空とのコントラストが美しく、丘の上に登って見下ろせば花畑越しに気持ちの良い眺めが見渡せます。秋も終わりに近づく頃に、ビタミンカラーの景色に出合えるなんて嬉しいですよね! マリーゴールドの他にも、ケイトウ9月下旬~11月中旬、秋バラ10月中旬~11月上旬など、秋のドイツ村は盛りだくさんの花が咲いているので、どの時期に訪れても季節の花々が出迎えてくれますよ」
群馬 桜山公園【冬桜】
紅葉と共演する日本画のような風景
桜山公園には約7,000本もの冬桜が植えられていて、国の名勝及び天然記念物に指定されています。紅葉とほぼ同じ頃、11月中旬~12月上旬に見頃を迎えます。10月下旬~11月下旬にはライトアップも行われ、夜の灯かりに浮かぶ紅葉や冬桜の幻想的な光景を楽しむことができます。
「秋に咲く桜があるのをご存知でしたか? 冬桜は、『四季桜』『十月桜』などとも呼ばれ、秋と春の年に二度咲くのが特徴です。ソメイヨシノのような華やかさはありませんが、小さく白い可憐な花を咲かせる姿には気品を感じます。駐車場から約10分ほど歩いた場所にある展望台から眺めてみると、山並みを背景に桜と紅葉が共演する日本画のような贅沢な景色に出合えます!これほど数多くの冬桜が植えられている名所は日本でも数少ないです。少しひんやりとした山の上の澄んだ空気を吸いながら、日本の美しい秋を思う存分堪能することができますよ」
はなまっぷ後藤さんおすすめの秋の花スポットを紹介してきました。次のお休みは子どもと一緒に秋のお花スポットに足を運んでみてはいかがでしょうか!
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