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おうちで皆既月食を再現!?自由研究にチャレンジしよう!

 月が赤く染まるとても不思議な天体現象「皆既月食」。日本ではおよそ3年に1度くらいしか見られない非常に珍しい現象ですが…、じつはこの「月が赤くなるしくみ」が身のまわりにあるものだけで再現できるって知っていましたか? 
 というわけで、この記事では月食のしくみや、夏休みの自由研究にもピッタリな皆既月食が再現できる科学実験をご紹介します♪

そもそも、月食ってなに?

 「月食」は、地球が月と太陽のあいだに入ることで、地球のかげが月をおおってしまう現象です。

部分的に月が地球のかげにかくれるのが「部分月食」
月がだんだんと欠けていくのが見られます。

そして月が地球のかげにすっぽりとかくれると…、「皆既月食」になります!

皆既月食になると、月は真っ暗になるのではなく、赤くなります。
この色は「赤銅色」とも言い表されていて、とても美しく珍しい現象です。

でも、どうして皆既月食になると、月は赤くなるのでしょう?
いつも白く輝いている月が、赤くなるなんて、不思議ですよね。

実験してみよう!月が赤くなるしくみ

 そこで、皆既月食で月が赤くなるしくみがわかる実験をご紹介します♪ 実験に使うものはとてもかんたん。おうちにあるものだけで用意できますよ!
 ※実験をするときは手順をよく読んで、小さい子は大人の人に手伝ってもらいましょう。

<用意するもの>
・ライト(かい中電灯)…1つ
・500ml以上のペットボトル … 数本
・牛乳
・月のイラスト

STEP1 ペットボトルに水を入れて、牛乳をほんの数滴混ぜる。
STEP2 月のイラストの前にペットボトルを並べる。
STEP3 ペットボトルの前でライトをかまえ、部屋を暗くして、スイッチをオン。

すると…。

月のイラストが、「赤銅色」に照らされます!

ライトの光は青みがかった白色ですが、ペットポトルを通り抜けると赤っぽいオレンジ色になっていることがわかりますね。
これは、牛乳のなかにふくまれている脂肪分がライトの光を散乱させることで起こる現象です。

ペットボトルの本数を変えてみると、光の色が変化していくのがよくわかります。

ペットボトルが一本だと、月はまだ白く照らされていますが…。

二本だと、黄色くなって…。

三本では、「赤銅色」になりました!

じつは白い光には、たくさんの色の光が混ざっています。
なかでも、青い光は散乱しやすく、ペットボトルを通り抜けることができません。
こうして、残った赤い光だけが月のイラストに届いたのです。

ライトが太陽のかわり、ペットボトルが地球の大気のかわりだと考えてみてください。

皆既月食は、太陽の光が地球の大気を通り抜けるときに、空気のなかのチリによって青い光が散乱して、残った赤やオレンジ色の光だけが月を照らすことで起こる、というしくみだったのですね!

火山が噴火して、空気中の火山灰が多いときなどは、皆既月食がより赤っぽくなることもあります。皆既月食を眺めて、「今日は空気がきれいだな」「今日は空気のなかのゴミが多いな」なんて言ってみるのも、ツウの楽しみ方ですよ!

STEP4 実験の記録をまとめよう!
月のイラストを赤く照らすことに成功したら、ペットボトルの本数や、牛乳を混ぜる量をさらに変えてみて、どのように月の色が変化するか記録しましょう。
月食が見られない時期は、夕焼けや朝焼けの色と実験結果をくらべて、なぜ空の色が変化するのか、理由を考えたり、調べたりしてまとめてみると、とても良い自由研究になりますよ!
 

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