子どもと一緒に読みたい! 平和をテーマにした本
8月15日に終戦記念日を控え、今が「平和」なこと、昔の日本や現在の諸外国で起きている「戦争」についてを伝えていきたい時季ですよね。1から話すことはなかなか難しいテーマだからこそ、ヨメルバ編集部が厳選した絵本を一緒に読むことで触れてみるのはいかがですか。
へいわとせんそう
「『へいわ』と『せんそう』では、平和の方がいいに決まっている。だけど、『へいわのボク』と『せんそうのボク』では、なにが変わるのだろう。同じ人やもの、場所を見開きごとに比べると違いが見えてくる。今、子どもにも大人にも伝えたいメッセージ」
「へいわのチチ」はボクと遊んでくれて、「せんそうのチチ」は完全武装をして一人で闘っている。食卓を囲む「へいわのかぞく」、食卓に誰もいない「せんそうのかぞく」など、平和と戦争の違いをぱっと見てわかるよう、見開きごとに展開。詩人・谷川俊太郎とモノクロドローイングでおなじみのNoritakeの強力タッグ。
へいわってすてきだね
「へいわってなにかな。ぼくは、かんがえたよ。ねこがわらう。おなかがいっぱい。やぎがのんびりあるいてる。みんなのこころからへいわがうまれるんだね。これからもずっとへいわがつづくように、ぼくもぼくのできることからがんばるよ」
当時小学1年生だった安里有生さんが書いた「平和」についての詩を、画家の長谷川義史が渾身のイラストで描き上げた絵本。
子どもならではの視点で綴られた「平和」をほうふつとさせることと、考えるだけで恐ろしい「戦争」とのギャップ。当たり前だと思いがちな「平和」について改めて考えさせられます。
焼けあとのちかい
「絶対に神風がふくと信じていた少年が焼けあとで見たのは全く別物だった。『数えきれないほどの死体がころがっていても、なにも感じなくなってしまいます』。15歳の少年は、東京大空襲を見て何を誓ったのか?」
戦史研究家の一人者であり、ジャーナリストの半藤一利は、東京の下町向島で育った。小学5年生の時にアメリカとの戦争が始まり、東京大空襲で猛火をふるったのが中学2年生の時。そこで見たものや感じたことが描かれたこの一冊は、子どもはもちろん、大人も考えさせられる内容。
字のないはがき
「戦争時代、ちいさな妹が疎開するとき、お父さんはちいさな妹に『元気なときは〇を書くように』と、たくさんのはがきを渡しました。しかし、大きな〇がついたはがきは、すぐに小さな〇になり、やがて×になり……」
大の向田邦子ファンとして知られる角田光代、2人の直木賞作家が共演した渾身の一作に西加奈子の大胆な構図と色彩が光る。
戦争中の向田さん一家のちいさな妹と、いつも怖いお父さんのエピソードを綴った感動の実話。装丁のちいさなタンポポは、この絵本の主人公であるちいさな妹をあらわしたものなんだそう。
ちいちゃんのかげおくり
「お父さんを戦争に送る前の日、ちいちゃんは“かげおくり”を教えてもらいます。ちいちゃんとお兄ちゃんは、よく、かげおくりをして遊ぶようになりました。ある夜、空襲で逃げる時、ちいちゃんは家族とはぐれてしまいます。ひとりぼっちでひたすら、お母さん達の帰りを待ちますがやがて…………」
幼い女の子を主人公に戦争を描いたこの作品は、小学3年生の教科書にも掲載されています。夏のはじめの朝、悲惨な戦争の中に幼い命を落とした女の子の姿は、この本を読んだ子どもにどのように映るのでしょうか。「戦争」がどんなものなのか親子で話し合うきっかけになる一冊です。
今回は、平和をテーマにした絵本を紹介しました。
次回は、「動物園」をテーマにした絵本を紹介予定です。(8月公開予定)
お楽しみに。
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