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【2024年 特別展「はにわ」レポート】はるばるアメリカから里帰りしたはにわも!見どころと限定グッズを大紹介

今から1750年ほど前に出現した王の墓である古墳に並べられ、約350年にわたって作られていた造形物「はにわ」。
初めて国宝に指定されたはにわ「桂甲(けいこう)の武人」の指定50周年を記念して、東京国立博物館では12月8日(日)まで、特別展「はにわ」が開催されています。
半世紀ぶりに全国から約120件のえりすぐりの至宝が集結した大規模展覧会です。
今回はヨメルバ編集部が、はにわ好きはもちろん、歴史になじみのないお子さんでも楽しめる見どころをたっぷりご紹介します!


見どころ①
史上初!兄弟のように似た「埴輪 桂甲の武人」5体勢ぞろい

第4章「国宝 桂甲の武人とその仲間」展示風景より

教科書でもおなじみの国宝「埴輪 桂甲の武人」は、古墳時代の武人はにわとしては最も厳重に武装され、頭から足先まですべて防具で覆われている稀有なものです。
このはにわと同じ工房で作られ、同一工人の作とも推測されるほど似たはにわ5体が、史上初めて同一会場に展示されています。中にはアメリカ・シアトルから海を越えてきたものも。カッコいい武人はにわを一度に見ることができる、またとないチャンスです!

5体とも表情や防具が少しずつ違っています。360度鑑賞できるガラスケースで展示されているため、後ろ姿までじっくり見てみてくださいね。

国宝「埴輪 挂甲の武人」(群馬県太田市飯塚町出土、古墳時代・6世紀、東京国立博物館)

鮮やかな彩色復元も!
国宝「埴輪 桂甲の武人」は近年の調査研究により、円筒部をのぞく全身に彩色があることが判明しました。製作地近辺で採取された、白(白土)・赤(ベンガラ)・灰(白土にマンガンを混ぜたもの)の3色の顔料で作られたそうです。

「埴輪 桂甲の武人(彩色復元)」(制作:文化財活用センター、令和5年(2023)、東京国立博物館)

見どころ②
動物好き必見!ゆるくてかわいい「はにわ動物園」

家や人物などさまざまな形をかたどった「形象はにわ」の中でも、ひときわ愛らしい見た目で人気を誇るのが「動物はにわ」。
第5章「物語をつたえる埴輪」にはそんな動物はにわがずらり!お子さんもテンションが上がること間違いなしな展示です。

第5章「物語をつたえる埴輪」展示風景より

馬形はにわ
王が権威を示すために豪華な馬具を装着させた「飾り馬」は最も多い動物はにわです。

重要文化財「馬形埴輪」(埼玉県熊谷市上中条出土、古墳時代・6世紀、東京国立博物館)

鶏形はにわ
鶏は『古事記』にも登場し、はにわになった最初の動物。羽などの造形が写実的に作られています。

「鶏形埴輪」(栃木県真岡市 鶏塚古墳出土、古墳時代・6世紀、東京国立博物館)

犬形はにわ
かわいらしい見た目に反して、ギザギザの牙もしっかり生えています!

「犬形埴輪」(群馬県伊勢崎市 剛志(上武士)天神山古墳出土、古墳時代・6世紀、東京国立博物館)

水鳥のはにわ
ほほえましい親子のはにわの展示コーナーも。馬・鶏・犬などのはにわは王権儀礼と無関係ではないと推測される一方、水鳥などのはにわは自然の中に息づく姿をそのままかたどられていると考えられています。

重要文化財「水鳥形埴輪」(兵庫県朝来市 池田古墳出土、古墳時代・5世紀、兵庫県立考古博物館)

このほかにも、魚、猿、牛、鹿などの動物はにわが数多く展示されています。

見どころ③
いろんな表情・ポーズのはにわたち

「人物はにわ」にも魅力的なものがたくさん!
にこにこ笑ったり、顔をしかめたり、踊ったり、相撲のポーズをとったり…。
個性豊かなはにわの中から、ぜひお気に入りを見つけてみてください!

見ていると思わず笑顔になる「笑う埴輪」
100体のはにわがエントリーした2018年の群馬HANI-1(はにわん)グランプリで、ほぼ無名ながら第1位に輝いた人気のはにわ。にっこり笑顔がとても魅力的!

「埴輪 笑う男子」(群馬県藤岡市 下毛田遺跡出土、古墳時代・6世紀、群馬・藤岡市教育委員会)

口をへの字に曲げたはにわ
盾型の上に人の顔が造形されている「埴輪 盾持人」。4点の展示物はそれぞれ表情豊か!しかしこれはなんと「威嚇」の表情なのだそう。目や耳を大きくしたり、満面の笑みを見せたりすることで、悪しきものを古墳に寄せつけないようにしたのだとか。

「埴輪 盾持人」(群馬県高崎市 保渡田八幡塚古墳出土、古墳時代・5世紀、群馬・かみつけの里博物館)

前にも後ろにも顔がある、不思議なはにわ
「形象はにわ」では現実に存在しないものを作ることはなく、この作品が唯一の例であるそう!

重要文化財「両面人物埴輪」(和歌山市 大日山35号墳出土、古墳時代・6世紀、和歌山県教育委員会)

踊るはにわ
ポスターにも掲載された有名なはにわです!

「埴輪 踊る人々」(埼玉県熊谷市 野原古墳出土、古墳時代・6世紀、東京国立博物館)

オシャレな女性はにわ
朝鮮半島から伝わった最先端のファッション・「裳(も)」(スカート)をはき、王の前に正座する女性のはにわ。裳をはく女性は大変珍しかったため、とても高貴な女性だと推測されています。

国宝「埴輪 正座の女子」(群馬県高崎市 綿貫観音山古墳出土、古墳時代・6世紀、文化庁(群馬県立歴史博物館保管))

どすこい!お相撲さんのはにわ
土俵入りのポーズをとる力士形のはにわ。力士は葬送儀礼の中で四股を踏み、古墳が築かれる土地を鎮めていたと推定されています。

「埴輪 力士」(大阪府高槻市 今城塚古墳出土、古墳時代・6世紀、大阪・高城市立今城塚古代歴史館)

見どころ④
大人も子どももうれしい限定グッズが盛りだくさん!

展覧会の最後に忘れずに寄りたいグッズコーナー。
特別展「はにわ」ならではのおみやげをチェックしてみてくださいね!

「埴輪 桂甲の武人」のふわふわぬいぐるみマスコット
SNS等で話題になった、古墳時代の男性の髪型「みずら」を模したカチューシャ

このほかにも、マスキングテープやブックカバーなど実用的なグッズも目白押し。

子どもに人気のキャラクター「はなかっぱ」とのコラボも!
テレビアニメ放送15周年を迎える大人気キャラクター「はなかっぱ」との特別コラボが実現。スペシャル番組に登場する新キャラクター「ハニカッパ」のグッズも見逃せません!

◎詳しくはこちら

さらに、はなかっぱの新作絵本『はなかっぱとおどらんか』にもはにわが登場しています。

はなかっぱの頭に「おどらんか」という花が咲いて、
ハニワを巻き込んで大騒ぎ!

「はにわ展」ではにわを好きになったお子さんにはもちろん、さらに歴史に親しむのにもおすすめな絵本です!「はにわ展」のグッズコーナーでも販売されているので、ぜひお手に取ってみてくださいね。

【書籍情報】

『はなかっぱとおどらんか』
作:あきやま ただし 絵:あきやま えみ
【定価】1,540円 (本体1,400円+税)
【発売日】2024年10月09日
【仕様】183㎜×205㎜/28ページ
【ISBN】9784041153017
全国の書店にて発売!
KADOKAWAオフィシャルサイト
カドカワストア
BOOK☆WALKER

©2024 Tadashi Akiyama/Emi Akiyama
©2010あきやまただし/はなかっぱプロジェクト

【番外編】特別展「はにわ」に行った後の復習に!

角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』第1巻では、はにわについての解説がまんがページ内にあります。

「はにわが作られた古墳時代ってどんな時代?」など、おもしろいまんがのストーリーを通して楽しく知識が深まります。
小学校低学年から読めて、はじめての歴史学習にぴったりな学習まんがです。

【書籍情報】

角川まんが学習シリーズ『日本の歴史 1 日本のはじまり 旧石器~縄文・弥生~古墳時代』
監修:山本 博文
【定価】957円 (本体870円+税)
【発売日】2015年06月30日
【仕様】四六判ソフトカバー/224ページ
【ISBN】9784041015025
全国の書店にて発売!
KADOKAWAオフィシャルサイト
カドカワストア
BOOK☆WALKER

特別展「はにわ」開催概要

展示作品、会期、展示期間、開館日、入館方法等については、今後の諸事情により変更する場合がありますので、展覧会公式サイト等でご確認ください。

◆展覧会名:挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」
◆会期:2024年10月16日(水)~12月8日(日)
◆会場:東京国立博物館 平成館
◆開館時間: 9時30分~17時00分
(注)毎週金・土曜日、11月3日(日・祝)は20時00分まで開館
(注)入館は閉館の30分前まで
◆休館日:月曜日
(注)ただし、11月4日(月)は開館、11月5日(火)は本展のみ開館
◆観覧料金:一般2,100円、大学生1,300円、高校生900円
(注)中学生以下、障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に学生証、障がい者手帳などをご提示ください。
◆交通:JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
◆主催:東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
◆展覧会公式サイト:https://haniwa820.exhibit.jp/
◆展覧会公式X(旧Twitter):@haniwa820_ten
◆展覧会公式Instagram:@haniwa820_ten

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