子どもと一緒に行きたい! 関東の植物園10選
南国ムードたっぷりの大きな温室や、珍しい野草が見られる関東の植物園へ出かけてみませんか? 雨の日でも観賞OKの温室には、バナナやパイナップルの木など、子どもたちにとっても身近な熱帯植物がいろいろ。ちょっと不気味な食虫植物も興味深いですよね。森の中の植物園では、昆虫や野鳥に出くわすこともあります。
さらに、夏休み向けのイベントやプログラムも豊富です。「植物園」というと少し固いイメージもありますが、訪れた子どもたちはきっと喜ぶはず!
3つのドームが楽しめる「東京都 夢の島熱帯植物館」(東京都江東区)
清掃工場でゴミを焼却した熱の余熱を、植物館の冷房を含めた空調エネルギーに利用するサステナブルな施設。目玉となる大温室は、A~Cの3つのドームで構成されています。Aドームは「熱帯の水辺」をテーマに、熱帯の河口に生息するマングローブ植物が生い茂り、熱帯の水辺の景観を再現。夏の夜に咲く熱帯性スイレン、サガリバナも注目です。
「人里と熱帯植物の関わり」がテーマのBドームでは、ココナッツ・パイナップル・バナナ・カカオといったおなじみの果実の開花、実がなる様子を観察しましょう! 小笠原固有種のほか、東京の亜熱帯の植物たちが見られるのがCドームです。
大温室以外では、ハエトリソウやウツボカズラなど常時十数種の食虫植物を展示する「食虫植物温室」や、40年近く前の熱帯地方のオリジナル動画を流す「映像ホール」ものぞいてみよう。ミツバチ展や食虫植物展、ハーブ展といった季節に応じた特別展もいろいろあるので、公式HPでチェックを!
施設情報
住所:東京都江東区夢の島2-1-2 夢の島公園内/時間:9:30~17:00(最終入館16:00)/定休日:月曜(祝日の場合翌日)、年末年始
公式サイト:https://www.yumenoshima.jp/botanicalhall
夏のイベント満載の「花菜ガーデン」(神奈川県平塚市)
「神奈川県立花と緑のふれあいセンター 花菜(かな)ガーデン」には、子どもたちが楽しめる季節を感じるイベントがいっぱい。24年夏には、7月21日(日)~8月18日(日)の土日祝に「水遊びパーク」が新登場! 8月10日(土)~8月18日(日)の土日祝には、野菜釣りや花すくいなどを行う「ひまわり縁日」が開催(縁日の内容は開催日により異なる)。加えて、8月24日(土)には盆踊りが楽しめる「ひまわりBONフェスティバル」が開かれます(雨天の場合8月25日(日)に順延)。
園内では約1,300品種のバラ園をはじめ、彩り豊かな花々を四季を通じて楽しめます。6月下旬から10月までは、タイタンビカスが見頃ですよ。また、広大な芝生広場でピクニックも楽しめるので、子ども連れにぴったり♪
施設情報
住所:神奈川県平塚市寺田縄496-1/時間:9:00~17:00/定休日:7月・8月は第2・4水曜、12月~2月は12月25日を除く水曜 ※祝日の場合翌日、3月~6月と9月~11月は休みなし、12月28日~1月4日
公式サイト:https://kana-garden.com/
自由研究にうってつけの「国立科学博物館 筑波実験植物園」(茨城県つくば市)
日本に生育する代表的な植物をはじめ、世界の熱帯や乾燥地に生育する植物など、7,000種類を超える植物を保有。そのうち約3,000種類を、自然に近い本来の姿で観察することができます。特に夏の園内では、植物の深い緑や夏野菜の力強さが見どころです。コシガヤホシクサという地球上で最後の自生地から救出された個体が残るのみの野生絶滅種を、見て学べるのも貴重ですよ。
さらに、夏休み期間にはイベントを開催! 24年7月20日(土)~7月28日(日)の「夏休み植物園フェスタ」では、さまざまな植物に関する展示やクラフト、園内でのクイズラリーなど、自由研究向きの企画が盛りだくさん。8月8日(木)~18日(日)に実施の「水草展―水草がつなげる世界―」は、水草と生物が満載の体験型展示です。
施設情報
住所:茨城県つくば市天久保4-1-1/時間:9:00~16:30(最終入園16:00)/定休日:月曜(祝日・休日の場合開園)、祝日・休日の翌日(土曜・日曜の場合開園)、12月28日~1月4日
公式サイト:https://tbg.kahaku.go.jp/
昆虫・野鳥も見られる「赤城自然園」(群馬県渋川市)
赤城山西麓(あかぎさんさいろく)に位置し、豊かな四季を織りなす美しい自然を感じることができる森の中の施設です。6月中旬から7月上旬ごろは高原でよく見かける山野草・ヤナギラン、7月下旬から8月中旬ごろは「森のシャンデリア」とも称されるレンゲショウマが見頃を迎えます。
園内のスポットでは、その名のとおり水生昆虫・ミズスマシがクルクルと泳ぐ姿を観察できる「ミズスマシの池」が見もの。「しばふ広場」では、レジャーシートを敷いてお弁当を食べたり、持ち込みの遊具で遊んでみませんか。標本展示などがある「昆虫館」は、ちびっ子が喜びそう。24年8月14日(水)~8月18日(日)には、生きたヘラクレスオオカブトなどを集めた「夏休みカブトムシ・クワガタムシ展2024」が開催されます!
施設情報
住所:群馬県渋川市赤城町南赤城山892/時間:9:00~16:30(最終入園15:30)/定休日:6月~11月は火曜、12月~3月は火曜~金曜、4月・5月は休みなし、年末年始
公式サイト:https://akagishizenen.jp/
水戸藩ゆかりの薬草を植栽「水戸市植物公園」(茨城県水戸市)
大温室、熱帯果樹温室などを備えた洋風の庭園。公園のシンボルの一つ、大温室の「花の滝」には、夏にネペンテスというツボ型の食虫植物を展示します。ほかにも、さまざまな食虫植物や池に浮かぶスイレン、青い豆の花のチョウマメなどが夏を代表する植物です。
「水戸 養命酒薬用ハーブ園」は、ハーブガーデンエリアと江戸時代の水戸藩にまつわる薬草エリアで構成。江戸時代の妙薬No.1といわれるキハダが、木製デッキの中心にシンボルツリーとして立っています。24年8月25日(日)までは、江戸時代の薬草や水戸藩の医学の歴史を実物の薬草とパネルで紹介する企画展が見学OK!
施設情報
住所:茨城県水戸市小吹町504/時間:9:00~17:00(最終入園16:00)/定休日:月曜(祝日の場合翌平日)
公式サイト:https://www.city.mito.lg.jp/site/mito-botanical-park/
ミニ水族館もある穴場「板橋区立熱帯環境植物館」(東京都板橋区)
東南アジアの熱帯雨林を再現。4つの植生ゾーンを表現した温室・冷室では、海から高山帯へと続く一連の熱帯環境を立体的に体験することができます。展示植物の種類は約700種2,000本、夏の代表的な植物はウツボカズラ、ハエトリソウなどの食虫植物です。
なんと地下にはミニ水族館が! 海水・汽水・淡水の魚や生物を約150種2,500匹展示し、平日と日曜には世界最大の淡水エイがごはんを食べるミニイベントを開催。子どもが楽しめるスタンプラリー企画や、ぬり絵の無料配布があるのもうれしいですね。
施設情報
住所:東京都板橋区高島平8-29-2/時間:10:00~18:00(最終入館17:30)/定休日: 月曜(祝日の場合翌平日)
公式サイト:/ https://www.seibu-la.co.jp/nettaikan/
博士ゆかりの植物に思いをはせる「牧野記念庭園」(東京都練馬区)
植物学者・牧野富太郎博士が、1926(大正15)年から約30年過ごした住居と庭の跡地。園内では博士にゆかりの深い植物を含め、300種類以上の植物が生育しています。夏には、博士が命名したヘラノキ(7月上旬~中旬)やウバユリ(7月中旬~下旬)、オオキツネノカミソリ(7月下旬~8月下旬)が、それぞれ見頃。ヘラノキは関東での希少性から「ねりまの名木」に指定されています。
24年8月3日(土)~9月1日(日)には夏休みイベントとして、園内を巡って謎解きにチャレンジするクイズシートを実施。
施設情報
住所:東京都練馬区東大泉6-34-4/時間:9:00~17:00/定休日:火曜(祝日・休日の場合翌平日)、12月29日~1月3日
公式サイト:https://www.makinoteien.jp/
両方楽しめて大満足!「高尾山さる園・野草園」(東京都八王子市)
「野草園」は、高尾山に昔から自生していた山野草を中心に、できるだけ自然の姿で見られるように配慮した施設です。高尾山で発見され、その名前がついたタカオスミレをはじめ、夏にはレンゲショウマやホタルブクロ、ヤマユリ、冬にはセツブンソウなど、四季を通じて多彩な植物を楽しめます。
併設の「さる園」には約90頭のサルたちが勢ぞろい。飼育員による個性やサル社会のルール、生態などの詳しい解説を聞けるのが魅力です。さる舎の屋上ではエサやり用の「おさるのおやつ」(有料)を販売し、ファミリー客に好評!
施設情報
住所:東京都八王子市高尾町2179/時間:5月~11月9:30~16:30、1月~2月と12月は~16:00、3~4月10:00~16:30/定休日:なし(園内整備等を除く)
公式サイト:https://www.takao-monkey-park.jp/
夏野菜を見に行こう♪「板橋区立赤塚植物園」(東京都板橋区)
武蔵野の面影を残す、丘陵地を生かして造られた小さな植物園です。「本園」「万葉・薬用園」「農業園」エリアでは、約600種の植物が生育。四季折々の変化を感じながら、自然に親しんでみてはいかが。夏にはユリ類や、「秋の七草」のキキョウ、オミナエシなどが咲き、花に集まるチョウ、水辺のトンボといった多くの昆虫・生き物も発見できるそう。
「ポタジェ」では普段見ることができない野菜の花や、作物・果実が実っている様子の観察も。夏はニンジン、レタス、オクラなどが栽培されていますよ。
施設情報
住所:東京都板橋区赤塚5-17-14/時間:9:00~16:30、12月は~16:00/定休日:年末年始、ウェルカムセンター休館日は月曜、第1・3・5火曜(月曜・火曜が祝日の場合翌平日)
公式サイト:https://www.city.itabashi.tokyo.jp/bousai/kouen/kouen/akatsuka/index.html
都会のど真ん中の植物園「渋谷区ふれあい植物センター」(東京都渋谷区)
「育てて、食べる植物園」をコンセプトに据え、23年7月にリニューアル。園内では“食べられるもの”を中心に植栽し、花や実をつけるフルーツ、庭のハーブなど約100種の植物を見学できます。24年夏の見どころはマンゴーです。少数精鋭の栽培方法で育ったマンゴーは要チェック!
ほかにも、紫系の色で小さな花が美しいパイナップルや、バラの香りが特徴のハーブ、ローズゼラニウムなども夏を彩ります。1階「Farm Labo(ファームラボ)」では水耕野菜を栽培し、2階に併設のカフェで提供するサラダに使用しています。
施設情報
住所:東京都渋谷区東2-25-37/時間:10:00~21:00(最終入園20:30)/定休日:月曜(祝日・休日の場合翌平日)
公式サイト:https://sbgf.jp/
植物と生き物を楽しんだり、勉強に役立つから一石二鳥!
東京にも意外と植物園が多いので、気軽に足を運んでみてくださいね。また、昆虫館がある「赤城自然園」やミニ水族館を併設する「板橋区立熱帯環境植物館」、「高尾山さる園・野草園」では、植物・生き物の両方を大いに楽しみましょう! 小学生のお子さんは、各植物園の特徴を踏まえて、夏休みの自由研究や植物の勉強に役立ててみて。
ライター:小林智明