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セクマイとして生まれてよかったこと

今まで生まれた環境は選べないと思ってた。
女に生まれたことを何度も悔んだりもした。
女という性に違和感を持ち、同性婚の許されていない国に生まれてきた理由。それは、その生きづらさを感じて立ち向かうことにあるのではないかと思う。

昨日行われた第25回参院選の投票率は48.80%、過去二番目の低さという結果だった。参政権のある国民の約半数の人が、投票に行っていないまたは行けなかったという状況だ。
私も20代の頃は政治や老後のことなど無関心だった。好きな人ができても結婚が認められない国で、年金を納めたとしても老後安泰と言えない状況で、どう生きればいいのかと生きる意味さえも失っていたからだ。

しかし近年、婚姻の自由と平等を求めて行動を起こしている人たちや、老後に年金だけでは足りない発表だとか、自分の身近に関することが動き出してきて、この世界を変えたいと思い始めた。
また、女性として生まれて社会生活をする上での過酷さも感じてきたし、競争社会や男女二極化したこの環境になんだか馴染めなくて引きこもったセクマイ当事者だから、よりそう感じたのだろう。

実家で落ち着いている時間に自己啓発やらスピリチュアルやらを読みまくって考えてみた結果、私は自分で選んでこの世界に誕生してきたのではないかと思った。なんでこんな辛い人生を選んだのかと思うが、それも考え方次第だろう。

私の知り合いにゲップができない人がいた。普通の人ができることがなんでできないのかと不思議に思ったが、そういう人は以外と大勢いる。
自転車に乗れない人、泳げない人、蝶々結びができない人。
私も仕事中に「私に出来て貴方はなんで出来ないの?」と怒られたものだ。本人もなんで出来ないのか分からない。
ただ、普通と言われることの中に出来ないことがあるという事実だけだ。

この世界には見た目では分からない悩みや、様々な問題を抱えている人も多い。選挙の投票だって行きたくても電車に乗れない人や、外に出ただけでパニックになる人もいるかもしれないし、自分が一票入れても何も変わらないと希望を失っている若者たちもいるかもしれない。そういった人たちの存在に気付くこともまた必要なのではないだろうか。

私は豊かな自然や晴れた空を見るたびに、この日本という国の平和な時代に生まれてよかったなと感じる。たとえ先の見えない不安な世の中でも、また不幸なことが訪れたとしても、今自分が動きだすことで未来を変えて行けるのだ。
自分の未来は自分で変えられる。
そんな人たちが増えていくなら、この国もきっと変われるだろう。

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