山なんて。~Vol.3【じぶん、のぼる②】
気になったなら、行っちゃおう。
北岳にある『ヤマゴヤ』へと動き出した自分は遂に―
新たな自分の振り返りと記録。
◇ ◇ ◇
僕は未知の世界に足を踏み入れた。
自らの意思と選択によって。
当時の自分はこう語っている。
初めて東京の街を一人で歩き、空気を吸い、自分で調べて甲府に向かい、降り立った。
ここまででも自分自身にとってとても大きなことでとんでもないことなのだが、本番はこれからである。
□ □ □
2018/06/26
何時だったかは忘れてしまったが、とてつもなく早い時間に起きたことだけは覚えている。
山の朝は早い。
遂に北岳山荘での勤務が始まる。
入下山も通勤であるため、本日が初出勤だ。
どれくらいだろうか。
時間は覚えていない。
ただただ吐き気まではいかない、緊張と不安から来る胸の不快感とともに揺られていた。
北岳(3193M)にある北岳山荘(2900M)。
そこに向かうために登山口である広河原に入った。
ここは1510M、8:41登山開始。
広河原山荘で記念撮影(念のため一部加工しています)。
最初はちょっと傾斜があるくらいかな、って感じ
ちょっと怖い
自然だよね
山生活で雲が結構すきになりました
クレバスを横目に
アイゼンを持っていなかったのもあって、この少し下からずっと辛かった
自分ってすげえなって少し思った
腐乱臭とハエ
大体雲目線
ここまで来ると登り始めからずっとまとわりついてきていたコバエやらは随分と減る。
気温も下がってきた
人生で初めてじっくり富士山を見た
ちょっと感動
貴重な高山植物を眺めながらただひたすらに
見えてからが遠いのです
ついた
約10時間、かかりすぎ
本当に辛かった。頭が痛い
□ □ □
初登山を終えて
その日の夜ご飯は、ほぼ食べれなかった。
料理を口に入れただけで込み上げてくる、吐き気。
高山病、脱水症状による頭痛と吐き気。
下に降りなければ治らない、生死にも関わることがあると言われてきたので寝床に早目につかせていただいたあと、
自分はここで死ぬのかもしれない。
ああ、死ぬのかあ。
などと考えていた。
よくなったのは入山して3日経った頃であった。
つづく
カンボジアに学校を建てたり、愛で地球を救ったりはしませんが、貴方を見たことのない世界にちょっとだけ連れていけます。