『好きなことで生きていく』ってこういうことなのかもしれない
「好き」のその先を探している。
「好きを仕事に」
「好きなことで生きていく」
そんなキャッチフレーズを聞いた時に、好きなことは分かっているのにそれをどう仕事にするのか、それでどう生きていくのか。
好きが分かっても、好きのその先が見つからない人もいるんじゃないかなぁと思う。
わたしもまさにその一人で、いろいろ経験しながら自分の中の「これ好きかも…」と思えるトキメキに出会っても、それをどう仕事にしていくのかわからなかった。
正直言えば、いまでも完全に分かったわけではないんだけれど、もしかしてこういうことなのかな…と思ったことがある。
結論から言ってしまうと、『自分が好きだと思えること』を活かして、『誰かになにかを与えること』ができるかが大切になってくるんじゃないかな。
好きなことになってしまうと、どうしても自分の意志だったり好みが優先してしまうけれど、徹底的に与える側に回ることを考えてみるとすこし光が見える気がする。
この考えに至った経緯は、わたしの好きなことを仕事に活かす方法についてじぶん会議をくり返した結果たどりついた。
わたしの好きなことをいくつか挙げていきたい。
わたしの好きなことは「語学を学ぶこと」「コーヒーを飲むこと」「本を読むこと」「海辺に座ること」「人と出会うこと」「文化や歴史を学ぶこと」…
挙げていくとキリがないけれど、大きいことから小さいことまでいくつか挙げてみた。
ワーキングホリデーがおわって日本に帰ってきた時に、語学を活かして仕事をしたいと思っていた。
それは単純に、英語が好きだからもっと関わりたいと思ったからだった。
なんとなくもったいないとかではなくて、前向きな気持ちで考えていた。
「語学」と考えたときに、「語学を教えること」がまず浮かんできた。
学校の先生、塾講師、英会話教室の先生…
どれも魅力的なお仕事だけれど、なんとなくしっくりこなかった。
うまく言葉にできないけれど、わくわくする感覚がうまれなかったのを覚えている。
いまとなっては、そのわくわくしなかった理由がわかる。
それは「語学を学ぶこと」が好きなことで、「語学を教えること」が好きなわけではないから。
実際、環境や職に恵まれて教える立場になってみたら、教えることが好きになる可能性もあるけれど、当時のわたしは教えることが好きなわけではなかった。
どちらかといえば、自分が学びを深めたいところだった。
教授ではなく、学者になりたい…と言ったらすこし伝わるかな。
「本を読むこと」もすごくすき。
ひとり暮らしをしてからは本棚は増え続けているし、本に囲まれて生活することはひとつの憧れでもあった。
いろんな種類の本に囲まれて、休みの日は気ままにページをめくって過ごしたいなぁなんてことを何度も考えていた。
本が好きなことを理由に、書店員や図書館の司書に憧れたこともあった。
毎日本に囲まれて生活したらしあわせだろうなぁ…なんて思っていたけれど、よくよく考えていくと、好きなことは本を読むことで、本を並べたり整理したり、貸出の手続きをすることではないことに気付いた。
それなら、個人の古本屋さんでレジに座って本を読みこむような、そんな人になりたいなぁ…と考えた。
好きなことを1つだけに絞ってしまうと、すこし自分の認識に勘違いが生まれてしまう。
例えば、「本」。
1つだけだと、それで何をすることが好きなのかまで分からない。
だからこそ、「読むこと」なのか、「書くこと」なのか、「薦めること」なのか、プラスの情報が必要になってくる。
「本を読む」行為でも、プラスの情報でさらに変わってくる。
本を「ひとりで」「ゆっくり」読むことが好きなのか。
本を「みんなと一緒に」「意見交換しながら」読むことが好きなのか。
それによって全く行動も環境も異なってくる。
そんな風に自分の好きなことを深掘りしていく。
また、「好き」と「好き」を掛け合わせていくことで、少しずつこれがしたい…!と思えるものが見えてくる。
そうやって見えてきた、好きをたくさん集めた状態の中から『与えられるもの』を探してみる。
「本」で考えてみても、本屋さんだけが与えられる人ではないんだよね。
作家さんもいれば、批評家の人もいる。
忙しい人が本を身近に感じてもらえるように、読み聞かせしてみたり、これだけは読むべきトップ5を勝手につくってしまうのもいいと思う。
「要約家」みたいな、独自の職業をつくってしまうのもいいのかもしれない。
いまでは、ブログやYouTubeなどの広告収入があるうえに、インターネットの世界では地球上すべての人とつながることができる。
自分の知識を総動員したら、その知識や技術を欲してくれる人だって現れるかもしれない。
そんな無限な可能性がある現代なら、「与える」に特化してみることっていろんな行動をもたらすんじゃないかなって思えるんだよね。
とは言ってみても、どうしても思考が固まってしまったり、できることに限りが見えてしまうときはこの本を読んでみてほしい。
自分の中にある常識のうえで、選択肢が限られてしまったら「それしかないわけないでしょう」と唱えてみたい。
こわいことの一つに、思考を止めてしまって妥協してしまうことが当てはまると思う。
好きなことって、時間を忘れて夢中になれることだからこその伸びしろみたいなものは計り知れない。
だからこそ、好きなことを納得できない妥協点に当てはめてしまうことってもったいない気がする。
好きを仕事に、というよりも、「好きなことと向き合い続けたら仕事になった」という方が近いのかな。
「好き」を無理やり既存の仕事に当てはめる必要もない場合も、きっとある。
挑戦してみたい仕事を見つけたわたし自身も、まだまだ好きなことと向き合っていく。考えることもやめない。
好きを仕事にするということの本質は誤らないでいたいなぁと、念頭に置きながら。
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