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ただのフリーターがマンガ原作者になるまで。その120

はじめに
この物語は、ノンフィクションであり、現在進行形であり、タイトル詐欺になりうることも厭わないスタイルなので、登場する名前は実在する事件・団体・人物と全くもって関係があります。

努努、夢

「将来の夢はマンガ家になることです」
小学校の卒業文集に、私はそう書いた。今でもハッキリ覚えている。時々、読み返す。小学生の頃の夢を20代半ばになって未だ追いかけている人って、どれくらいいるのだろう。多分、多くな人は高校大学と経て現実を見始め、夢を諦めて行くと思う。だから、私は希少種だ。小学生からの夢を恥ずかしげもなく掲げ、走り続けている。社会的信用も、安定した収入も、親の安心も投げ捨てて、無謀なる戦に出ている。
努努、忘れてはいけない。
小学生の夢を多くの人が諦めるのは、それが現実的ではないから。成功率が低いから。生きていけないかもしれないから。
私は今、そういう危ない橋を渡っているのだ。茨の道を進んでいるのだ。だから、大切な人を余計に巻き込んだり、失敗して「ほら見たことか」と罵られたりするわけにはいかない。頑張らないといけない。
努努、忘れてはいけない。
そしてその夢が、ついに現実の肌触りとなって、目の前に現れた。このチャンスを逃すまいと足掻く私は、他人にどう写っているのだろう。まぁ、どうでもいいか。

水村ヨクト

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