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こんにちは。売り方イノベーターのよくたろうです。

先日、新規事業を検討しているチームでこんなことがありました。

よくたろう「この新規事業で我々として何を狙いたいか仮説を作りませんか?」

A課長「お客様を絞るということですか!?そんなことしたら営業から怒られますよ。万が一絞ったお客様がとてもいいお客様だったらどうするんですか!?」

気持ちはとてもよく分かります。

全方位で対応する方が、可能性も広がる気がするし。

一昔前の新規事業でしたら、このアプローチでうまくいきました。

なぜなら、市場のニーズが画一的だったため、価値観をマスで捉えたサービスや製品が求められていたからです。

男性はサラリーマンになり、横並びで出世し、定年を迎える。

これが普通、とされた時代では45歳、男性、といえばどんなものが欲しいかが想定できていました。

しかし、インターネットの普及により、情報へのアクセス性が高まったことで人々の価値観は多様化し、単なる45歳、男性、ではどんなものが欲しいのか分からなくなってきています。

絞らない、ということは、この「45歳、男性」の属性に対して、必要なサービスを考える、という考え方になってきます。

例えば、「新しいスーツを開発したい!」となった時、「45歳、男性」にグッとくるものは何でしょうか

会社員もいれば、経営者もいれば、会社員でもスーツが必要じゃない人もいれば、年収も違うし、それによって情報収集の仕方も変わるし、いまだとリモートワークが主体か否かでもニーズが変わってきます。

こんな人たち全員が欲しいと思う新しいスーツを開発する、というのは現実的でしょうか

企業での新規事業はよくこういった検討が行われています。

サービスを提供する側からするとこんな人にも、あんな人にも使ってもらえる!と思うので、絞ることに脅威を感じてしまうのです。

しかし、実際サービスを提供される側からすると、自分のためのサービスを使いたい、買うものが自分にとってどういいのか知りたい、と思っていますので、「こんな人にも、あんな人にも」と言われると、自分にとって不要な情報もたくさん出されてくるため、訴求力が弱まり記憶にも残らない(=売れない)、ということになるのです。

ということは、絞る=訴求力を高める、ということにつながるわけです。

多くの人に情報として届けられても、訴求力が弱いと「買う」という行為につながらないため無駄な広告費をかける割には購入に至る率が低い、ということになります。逆を言うと、訴求力が強い場合は、訴求できそうな人に絞った広告がかけられ、また購入に至る率が高い、ということが言えます。あなたの得たいものはどちらでしょうか?いろんな人に知ってもらうけど買ってもらえないこと、なのか、特定の集団が知った瞬間に買ってくれること、なのか。

「でも、いろんな人にも使える!もん!!」という場合は、まずはどこかに絞って訴求力を高めた後で、他にも使えそうなパターンをまた絞って訴求力を高める(複数のパターンをつくる)ことをお勧めします。

本日の20字まとめ

絞ることは訴求力を高めること

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