中小企業が取り組むべき新規事業とは
こんにちは。新規事業イノベーターのよくたろうです。
よくたろうは起業するまえに、ビジネススクールやアクセラレータープログラムを複数受けましたが、「ゼロイチ」のアプローチが非常に多いと思いました。
そのせいか、新規事業=世の中にないものを生み出す、というイメージがついてしまっているようですが、実際はゼロイチは新規事業の中の一つでしかありません。
いわゆる、スタートアップとスモールビジネスの違いに近いのですが、新しい事業を作るにしてもこの二つは狙いたい市場やリスク、リターンは大きくことなります。がゆえに、やることも変わってきます。
まずは、自分がどちらを狙っているのか、をよく考えてからスタートするべきなのですが、正直言って私は、中小企業のほとんどはゼロイチは不要と考えています。
出典:田所雅之・著『起業の科学』
ゼロイチは今までにない市場を作るものであり、ここではスタートアップがゼロイチで事業を生む考えに近くなります。
スタートアップは、ユニコーン企業やメガベンチャーのような大きなリターンを得るために、新しい市場を作り出していきます。新しい市場を作るということは、消費者もそのニーズや課題感は現時点では気づいていませんので、消費者に聞いても市場規模を図ることはできません。その為、ありとあらゆる準備は不確実な条件の下で行っていきます。
また、大きな市場を狙っていくため、投資金額も大きくなります。よって自己資金だけでは賄えず、投資家を募っていくことも必要となります。いわゆる、ハイリスク・ハイリターンとなります。
加えて、大きな市場を狙うということは時流を読んで適切なタイミングで仕掛けることも重要になります。これもよくある話ですが、未来からバックキャストして市場の課題を考えるアプローチがありますが、これも狙いはスタートアップやゼロイチの考え方に当てはまるアプローチです。
この、あるかもわからない市場を作る、考え方は投資体力のある会社に限られます。その点で、中小企業には不向きです。なのに、世の中の「イノベーション」「アクセラレータプログラム」などはこのゼロイチが多いのです。
なぜか
逆に、中小企業が狙うべきスモールビジネスの特徴を考えるとわかります。
スモールビジネスのポイントは、すでに市場が存在することが証明されている市場に対して、既存の競合が満たせていない顧客のニーズを自社の強みで満たせること、です。
つまり、スタートアッププログラムのようにいろんな会社が集まって、学校のように一律にプログラムを受けても自社が狙うべきスモールビジネスはわからないままだからです。
スタートアップの考え方は目新しさもあって、一律のプログラムを受けても受ける側も何か学んだ気がしてしまうのですが、いざ自社に当てはめてみたときに、ない市場を作る!と会社に訴えたところで事業化なんてほど遠い話となるのです。そうして、受ける側は新規事業ジプシーになっていきます。このプログラムを受けたら何か出るかも、と期待して次々に他のプログラムを受けていきます。いわゆるダイエットのような挫折産業といってもいいかもしれません。
一方で、スタートアップの考えはスモールビジネスをやるうえでも参考になるものはたくさんありますので、決して否定しているわけではありません。
ただ、両社の違いを理解して、世の中のプログラムに踊らされないことが必要です。
本日の20字まとめ
中小企業は自社の強みの活かし方が何より大事