セレモニー

　中学生の頃に好きだった女の子の結婚式をこっそり見に来た。

もう１０年以上も関わりがないため、招待状はもちろん届いていないが、彼女が結婚式を挙げるということを虫の知らせで知った。

　元々影が薄い俺は、周りの人と同じようにスーツを着て目立たない場所に居れば、部外者だと思われることも、話かけられることもなかった。スーツは『着た』というか『着せられた』のだけど。

　新郎新婦は、これ以上にないくらいの最高の笑顔を見せている。今日がお互いの人生にとって最高の１日になるのだろう。彼女と目が合った。手を小さく振ってみたが、反応はなかった。やるせない気持ちになったが、これ以上にやりようがないのは、俺自身が一番わかっている。

　彼女の幸せな姿。人生で一番きれいな姿を見られて良かった。目的を果たした俺は、こそこそと式場を後にする。

　６月の終わり、先日梅雨入りが発表されたが、今日は青空の下で小さく式が行われている。

夏本番はまだまだ先だというのに、身体が燃えるように熱い１日だ。

熱中症に気を付けて、塩分補給を忘れずに。

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画像：https://00m.in/Cut1F

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この曲、結婚式とも取れるし葬式とも取れるなあと思って思いついたのがこの話です。