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『新しい猫背の星』 尼崎武

留学生にすすめたい短歌シリーズ

2冊目は、尼崎武『新しい猫背の星』(書肆侃侃房)

テトリスも抱き合うことも下手すぎていつも隙間がいっぱいできる

尼崎武『新しい猫背の星』

何回も客に頭を下げてきた 同じ数だけ頭を上げた

もう俺は今日から生まれ変わるのに昨日のことで怒られている

笑わない息子を心配してたのに妻と二人で笑ってたのか

自虐的で、おもわず笑ってしまうような歌が多い。

後半の2首はどちらも「〜のに」が使われている。

仕事には休みに似てるものがありそれを率先して引き受ける

これ、ときどき私もやる(笑)


生きている ただそれだけで素晴らしい お金があればなお素晴らしい

身も蓋もないけど、こういうのもいいね。


ゴミ箱に使い終わった赤ちゃんがおなかにいますバッジを捨てる

この歌は一瞬ドキッとさせられるけど、よく読むと、「赤ちゃんがおなかにいますバッジ」がひとつながりの名詞になっていることにあとで気づく。技ありの一首。

美術館にひとつくらいは唐突に意味がわかってしまう絵がある

あるある(笑)

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