挑戦の原動力のつくり方
「挑戦者のつくり方」について考えたり話したりする機会が増えている。
先日、HR界隈の大先輩の皆さんとも
「みるからにバイタリティ高め・やる気満々なタイプではない、慎重で安定志向の人も挑戦者に変わるのだろうか」
みたいなお話になったり。
(余談なのだけど、4か月振りの外食ご飯でして、尊敬する方々に仲間に入れてもらって、出てくる食事とお酒はどれも美味しくて、オチも答えもないこんな話をゆるゆるできるありがたさが染み入る時間。)
挑戦はどこからやってくるのか、挑戦心はどのようにはぐくまれるのか、という問いを考えるとき、もう8年も前になるある出来事を思い出す。
そのときのことをかつてブログで書いていたのを思い出し、読み返してみるとけっこうよいことを書いていた(笑)ので、再掲してみます。
(ここから、3年前のブログを再掲)
運動会に学ぶ、挑戦の原動力のつくり方
(保育園時代の運動会。かわいかったなあ…)
保育園時代、3歳のとき。
当時から好きな遊びはインドアで、
外遊びの時間には砂場が不動の定位置だった彼に訪れた転機が
「運動会でまぐれで1番をとったこと」。
まぐれと言えども1番は1番(笑)
幼心に嬉しいものだったらしく、
そこから何かが変わったらしい息子は、
すすんでかけっこやボール遊びをするようになりました。
そうすると、体力も筋力もアップするし、
走るのが早くなり、ボール遊びが上手になり、
そんな自分に自信が出てきて、
さらに難しい遊びにも積極的に挑戦してみたり。
保育園の先生にも、
「最近○○くん変わりましたね!
新しい遊びに誘ったとき、手を挙げてやるやる!って
言ってくれるんですよ。前は絶対にノッてこなかったのに」って
言われるくらい変化を遂げた瞬間でした。
経験が自信を生み、自信が挑戦の原動力になる
これらの二つのエピソード。息子に何が起こったのでしょうか。
心理学者のバンデューラの「自己効力感」という理論があります。
「自分にはできる!」という自己効力感を持つために
必要なものは4つある、という理論です。
1つ目は、直接経験。
自分自身がこれまで積んできた成功体験をもとに、
「あの時もできたのだから、今回も自分はできる!」と
思えるというものです。
2つ目は、代理経験。
身近な、また境遇が近い他者の経験をもとに、
「あの人にできるなら自分にもできるかもしれない」という
気持ちが沸いてくることを指します。
3つ目は、社会的説得。
周囲から「あなたにならできるよ」と伝えてもらうと、
「そうなのかな」「この人が言ってくれるのならそうなのかもしれない」
とその気になることがありますね。
4つ目は情緒的安定。
前の三つとやや毛色が異なりますが、
「自分にはできる!」という気持ちを保つためには、
過度なストレスやプレッシャーで自分を追い込まずに、
コンディションの安定が必要です。
そして、これら4つのうち、もっとも「効く」のはどれでしょうか?
そう。1つ目なのです。
きっと、偶然でもなんでもよくて、
これまでの自分自身の経験が
なによりも次の挑戦を生むための自信になる。
息子の場合は、これまで2回の運動会の経験が
自己効力感を高める「きっかけ」となり、
次の経験を生み、そして結果的に成長を導いてくれました。
何がきっかけで化けるか分からないのが、
人の自信というもので面白いなあと思う一方で、
そうした「きっかけの種」をまき続けて下さっている
保育園や学校の先生方には感謝してもしきれません。
「きっかけの種」を蒔けているか?
そして、何も子どもに限ったことではなく、
大人も同じことなのでしょう。
むしろ子どもより大人の方が失敗を恐れるものです。
大人の集団である企業組織において、
「社員(メンバー)にはもっと挑戦してほしい」
「受け身ではなく、自ら進んで仕事をしてほしい」
と願わないマネジメント層の方はいないでしょう。
ですが、「挑戦しろと言われても挑戦できない」
という気持ちにもまた、誰しも心当たりがあるはずです。
自ら進んで挑戦する社員を増やすために
できることはどんなことが考えられるのか。
勿論、人の変化なんてものは
偶発性と個別性の高いものであり
デザインしきることはできません。
ただ、チャレンジングな課題を前にして、
「自分にだったらできる、やってみよう」と
メンバーが自分を信じられる「きっかけの種」を、
自組織ではどれだけふんだんに蒔けているのか?
そんな視点で見つめ直してみるのも良さそうです。
(再掲終わり)
今は、今までのルートへの妄信を見直し、自分たちにとって最も良さそうな道を切り拓く「挑戦」が今まで以上に求められていくタイミング。
「挑戦の原動力のつくり方」をもっと考えてみたいなあ。
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