オイシックスの創業ストーリーに学ぶ、偉大な事業の出発点
年明けの第1週が終わろうとしています。
緊急事態宣言の動向を気にしながら過ごした1週間だった方も多かったかもしれません。
揺らぎ続けるこの状態だからこそ、しんどいときはケアし合い、新たな時代に生まれ出ようとしているものには手をかけて、Keep Goingな1年にしたいですね。
この年末年始、目にした記事のうち、とても印象的だったのがこちらの記事でした。
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▼新規事業に挑戦する人へ。オイシックス・ラ・大地が大切にしてきた事業開発に”夢中”になる心構え
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今年20周年を迎えるオイシックス・ラ・大地ですが、振り返ると同社の20年は、「前例のないことに挑戦し続けてきた新規事業開発の歴史」とのこと。
オイシックスと言えば、皆さんご存じの「インターネット食品宅配サービス」。
当時徐々に普及しつつあったインターネットを通じて、生鮮食品を自宅に届ける事業です。
当時20代だった創業メンバーがなぜこの事業を始めたのか、ご存じでしょうか。(私は知りませんでした)
誰もが思いつきそうなシンプルな事業ではあるものの、20年前は、インターネット先進国アメリカでも誰も成功したことがなかったそう。
(事実、品質管理は大変、送料は高い、ユーザーは増えない、資金は集まらない、と苦難の連続だったとか。)
では、なぜ、オイシックスはこの事業に挑んだのでしょうか。
記事の中で、創業メンバーの一人である堤祐輔執行役員はこう語っています。
”実は、はじめから野菜の宅配業をやりたかったわけでは全然ないんです。原点にある想いは「インターネットを使って、社会を良くするビジネスを、自分たちでつくる」です。”
”まだ誰も成功していない。成功したら世界初。この事実は、僕たちの野心に火をつけました。”
”僕たちの考える大成功とは、自分たちの力で、世の中に唯一無二の大きなインパクトを与えるビジネスを実現することです。”
この文章から読み取れるのは、オイシックスの創業チームが20年前、誰も成功したことのないインターネット食品宅配サービスにわざわざ挑みにいったのは、
「食」に対する原体験があったからでも、社会課題を解決したかったからでもない。ましてやインターネットバブルに乗って儲けようとおもったからでもない。
彼らの創業時の想いは、”インターネットを使ったインパクトあるビジネスを自分たちで作りたい”でした。
今や、「これからの食卓、これからの畑」という理念のもと、最新のテクノロジーを駆使して、様々な食の社会課題を解決する事業を行う同社ですが最初の一歩は意外なくらいシンプルだったことがわかります。
わたしたちは組織の中で事業創出を考えるとき、大きなビジョンを持たなければ、解くべき課題を見つけなければ、誰もが納得する事業計画を作らなければ、とつい焦ってしまいます。
この、オイシックス・ラ・大地の創業ストーリーが教えてくれるのは、「偉大な事業を生み出すために偉大なWillは要らない」ということ。最初の一歩は「幼いWill」でいい、ということではないでしょうか。
わたしたちが支援をする事業創造プログラムでも、事業創造にのめり込む人は、自らの「幼いWill」をもとに動くうちに、高い確率で忘れられない「誰か」に出会っています。
そして、その「誰か」の一言がきっかけになって、自分たちの事業で引き受けたい「課題」が見つかり、最初にあった「幼いWill」にどんどん火が付き、あれよあれよと突き進んでいく姿をたびたび目にします。
組織の中で新規事業を生み出すとき、語られることの少ない「幼いWill」こそが実は大きなレバレッジをうむ出発点になりえるのです。
皆さんの語るのも恥ずかしいような「幼いWill」は何ですか。
社会がますます変化する2021年、課題感や不安感はそこかしこに存在するからこそ、机上にとどまるのではなく、Willをもとに動くことで、価値ある事業を生み出す一年にしたいですね。
michinaruの今年のテーマは「道づくり」。
未知過ぎる2021年だからこそ、幼いWillを大事に、土まみれになりながら、道をつくっていきたいと思います。
▼冒頭の記事、良ければご一読ください。
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