絵本のジェンダーバイアスを減らす仕組み
こんにちは。わかうら80'sです。
前回記事を「後編に続く」風に締めくくったにもかかわらず、
それはまた近々別の機会に書くとして、
今日のテーマは絵本です。
絵本から感じられる性的役割分担
先日、年長さんの娘と、絵本を読んでいたんです。
それは大人気の絵本で、
10種類のいろいろな動物さんや虫さんの、お家の様子が描かれている、
見ていてとても楽しい絵本。
字やストーリーを追わずとも、細かく描かれた絵を一つ一つ見て、
「あ!ここでこんなことしてる!おもしろい!」と発見の楽しみがある、
とても素敵な絵本なんです。
ただ、初めてマジマジ見てみると、私ならではの違和感が。。。
この生き物の家でも、あの生き物の家でも、
台所に立つのは、睫毛の長い方。きっとお母さん。
洗濯するのは、睫毛の長い方。
赤ちゃんや卵のお世話をしているのは、睫毛の長い方。
ちょっとちょっと!
お母さんが家事育児している割合が、やたら高いじゃないの!
台所のある家5軒中5軒で、女性が台所でお料理とかしている。
子育て(卵や幼虫のお世話)をしている家7軒中6軒で、女性が子育てをしている。
洗濯をしているのも、女性だ。
親業をしている男性陣を後押ししてあげて!
最近、私の周囲では、
乳幼児のパパさんでガチで家事育児を担っている方が増えてきている。
イクメンを気取るのではなく、
家族の一員としてあるいは親としての務めと捉えて
主体的に家事育児を担っている方だ。
そのほとんどが、ご想像のとおり、お仕事もしている。フルタイムで。
つまり、
今までワーママたちが「仕事と育児の両立ってマジ難しくね?」と思って、発信したり仲間を募ったり共感し合ったりして
なんとか乗り越えている状況を、
最近ではパパさんたちが体験し、
「こりゃ無理ゲーだわ」と沸々と感じているのだ。
そして一部のパパさんの中には、
勤務先や取引先からの理解が得られずに、
抱え込んだり、苦しんだり、心の健康を損なったりしている。
現実にこんなに頑張っている男性陣がいる!
絵本をはじめとしたメディアも、応援してあげようよ!
現役コドモの捉え方
絵本を読んだ日の夜、布団の中で長女に、私の抱いた違和感をこぼしてみた。
私「長女ちゃん、今日お昼にお父さんが作ってくれたうどん、美味しかったね。
夕食の肉豆腐もお父さんが作ってくれたね。美味しかったね。」
長女「今日は、ママパパパパ、だね!」
→あ、朝昼晩の食事を用意した人か。
私「お母さんさ、今日読んだあの本の、
お台所でお料理してるのがメスばっかりで、あれ???って思ったんだよね。子供のお世話してるのもメスばっかりだし。
だって、本当はペンギンさんだって、お父さんが卵温めたり子育てしてるでしょ?」
長女「そうだね!それで、メスはシャチに食べられちゃうんだよね!」
→ざんねんな生き物で得た知識たね。
私「うちのお父さんだって、こんなにお料理も子育てもしてるのに。
お友達の〇〇ちゃんのパパはケーキ作るし、
〇〇ちゃんのパパは毎日保育園のお迎えしてるし。
それなのに絵本はメスばっかりで、悲しいんだ。」
長女「そっか!もっと頑張んなよ!絵本のお父さん!」
とまぁ、長女は会話に現れるほど(言語化できるほど)
絵本からのジェンダーバイアスが擦りこまれていませんでした。
むしろ“ママが悲しいなら共感してあげたい”みたいな気持ちで
会話を繋げてくれていたように思います。
コドモが触れる情報からジェンダーバイアスを減らしたい
この長女の会話から、絵本の影響ないじゃん、と思われますか?
現実のパパたちが家事育児に参画してるなら、
それでジェンダーバイアスなくなるじゃん、と思われますか?
おそらくこれを読んでいる方々は、そこそこ大人で、
きっと少なくとも15年以上の人生経験があって、
その長さに比例した情報を社会から受け取ってきていると思います。
そして肌で実感していると思います。
バイアスのかかった情報に繰り返し繰り返し触れたときに
「そういうもんなんだ」と受け入れてしまうことを。
そして、「そういうもの」に当てはまらない存在を、
今回でいう、親業をガチで取り組む男性陣を、
「なぜ、そんなことをするの?」と疑問に思ったり、
「珍しいね」「変わってるね」「今どきはそうなんだね」と
一線引いてしまったりすることを。
絵本からジェンダーバイアスを減らす仕組み
私が考えている「仕組み」とは、
ジェンダーバイアスが少ない絵本が世間で求められているということを
作家側・出版社側が認識できる仕組みです。
例えば手軽なものとして、
InstagramなどのSNSを通じて、「#ジェンダーフリー絵本」「#脱ジェンダーバイアスな絵本」等のハッシュタグで、絵本を紹介するなど。
この方法の良い点は、私一人ではなく発信できるので、たくさんの絵本が紹介されやすいという点です。
そして、関心のある親はそれを調べて絵本購入購読へと行動すると思います。
なんだよ、たったそれだけかよ。という感じですよね。
実は、このnoteの記事を書き始めたときは、
もうちょっと大げさなことを考えていました。
例えば、
厚生労働省が子育てサポート企業に「くるみんマーク」の認定を行うように、
サイトを立ち上げて個人的に「ジェンダーフリー絵本」の認定をするなど。
または、絵本の表彰をしているどこかの団体に、
ジェンダーバイアスからの解放が求められていることを直訴して、
そのジャンルの特別賞を創設してもらうなど(直訴までならできそうです)。
でも、いずれもあまり実現しそうにないのです。
私が面倒だったり、他者の意思決定を介したりしますので。
そして、このnoteを含め、現在はSNSで誰でも発信できます。
なんなら世の中のムーブメントもSNSを通じて広がっています。
SNSの方が、始めやすく、広がりやすそうです(そして、広がらないときはPDCAを小さく回して次の手を打ちやすそうです)。
「#ジェンダーフリー絵本」「#脱ジェンダーバイアスな絵本」
やってみたいです。
(そして他の方にこのアイデアをパクられてもいいです!)
ジェンダーバイアスは敵ではない。
さて。
私はジェンダーバイアスを減らしたい、と強く思っています。
強く思っていますが、この点だけは誤解なく。
私は、ジェンダーバイアスの含まれる情報や、それを発信する人々を、
敵と思っているわけではありません。
この絵本の作者や、出版社の担当者もまた、
「家庭の台所は女性が立つもの」と擦りこまれてきた方たちなのです。
女性ばかりが家事育児を担う習慣がどのようにしてできたのかというと、
小室淑恵さんの言に拠れば戦後の経済復興には体力のある男性に家の外で働いてもらう方が合理的だったとか(ちょっと聞きかじっただけなのであやふやですみません)、
性差の歴史は時代の状況に即した様々な経緯があります。
そして、
私がここでジェンダーバイアスについて状況を変えたいというのも、
時代の状況に即して抱くようになった思いなのです。
「ジェンダー」という言葉を聞いて「わー!その話聞きたくない!」という方がいるのも知っています。そういう方の耳元で「ジェンダーフリー!」と叫ぶようなことをしても、ただの騒音で、脳まで到達しません。
ただ、絵本とともに育児をしていて、
つまりは絵本製作に携わる方々と育児をしている私なのです。
「ジェンダーフリーな絵本が喜ばれる」という2021年の思いを、絵本製作側の方に届けたい。それだけなのです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。幸せです。
Wakaura80's
#ジェンダーフリー絵本
#脱ジェンダーバイアスな絵本