紙切符廃止議論はいいけど?


総論:かゆいところに手が届く?

最近、鉄道乗車券のチケットレス化とか、ペーパーレス化とかが叫ばれている。個人的には「じゃあ紙チケットでやっていたことはどうなるの?もしかして割引廃止とかにするの?」と思っていたら「往復割引廃止します」とほんとに言い出して憤怒している。

実際にICより切符が便利な事象

パターン1:小生の帰省(往復割引)

小生の実家は岡山県北、ということで、都内から帰省する場合は「往復割引」が効く範囲内になっている。したがって、往復割引の効力を最大に生かすためには、
現住所~東京駅or品川駅~(新幹線)~岡山駅~実家
という切符を往復で確保する必要がある。この場合、EX予約の場合は、特急券のみの確保となり「目的地までの乗車券をJR線乗車駅で購入した場合」に該当する。これ、一見便利そうにみえて面倒くさいシステムなんですよね・・・
(理由1)新幹線乗換駅(往路:東京駅or品川駅、復路:岡山駅)で券売機が混雑していると指定した新幹線に乗れない、というリスクを抱えるので、乗換を相当余裕持っておかないといけない。
(理由2)発券用にEX予約会員カードが必須。かつ、発券時にパスワード入力はしなきゃいけない。パスワードマネージャー等で即時パスワードを見れる体制が必要
このように、非常に面倒くさいんですよ。でも、EX予約で特急券予約した場合は発券必須ですからね。たとえば、東京駅から岡山駅まで、みたいにEX予約の範疇で収まる場合とかはSuicaまたはPASMOまたはEX予約会員カードで完結できて便利なんですけど、ね。ま、このような不便なシステムが嫌なのてe5489でサンライズとかに乗ったりすること検討するんだけど。

パターン2:発駅側or着駅側がIC非対応(3セク)

着駅側でICカードが使えない場合も一工夫加える場合がある。
たとえばF-1で鈴鹿に行くときは、伊勢鉄道がICカード非対応なので
地元の発駅→東京駅:SuicaまたはPASMO
東京駅→名古屋駅:EX-ICカード(または紐づけしたIC乗車券)
名古屋駅→鈴鹿サーキット稲生駅:紙(快速みえ得ダネ4回数券)
というプランを組む。

荷物を名古屋駅のコインロッカーにぶち込むことと、ICカード非対応かつお得切符がある伊勢鉄道の快速みえ得ダネ4回数券を使うことが前提。ICカード非対応駅にいくのだから切符を買う必要がある、というのを逆手に取ったプランである。そもそもは一人で長距離歩く、特に帰路鈴鹿サーキット稲生駅で長時間の待ち時間が発生するので、荷物を最小限に抑えるため、名古屋駅のコインロッカーやクロークを使うことを前提に組んでいるからこそできる柔軟な運用だけど。それでも、何度も改札を行き来しないといけない面倒くささはどうにもなりませんが。

パターン3:3セクでチャージ切れ等不測の事態

去年のJ1リーグ戦にてカシマサッカースタジアムと地元駅を往復した際、ICカードで飲み食いしたせいで復路分の残高が残らなかったんですよ(計算しとけw)。そこで、駅員さんにまず紙切符の発行を相談したのだが「JRのほうが省人化で紙切符を嫌がっていて・・・」と。JR東日本千葉支社では駅の合理化を進めていて、結構な数の駅が駅員無配備になったので、自動改札を通れないパンチ券は発行できない、という。
その時は鹿島サッカースタジアム駅の臨時チャージ機で難無きを得たけど、もし臨時チャージ機が使えなかったらどうなったんだろう?いったん鹿島神宮駅で清算?となると面倒くさいですよね・・・

結論:やっぱりかゆいところに手が届かない

ICカード乗車券だけや、スマホ等の端末だけで完結するような場所ならともかく、国内にはIC非対応な区間も多数残っていて、そこを使わざるを得ない人間なので、わざわざIC区間の利便性「だけ」を強調されても困る、ということだ。EXカードはJR東海・西・九州共通のシステムだけど、JR〇の「えき〇っと」はもっと不便なのでこちらも一度使っただけでそれ以降ほとんど使っていない。残念だけど、いまの鉄道、特にJRの場合「痒い所」に「手が届く」方法が紙切符じゃないと成立していないところが多数なのですよ。都心の鉄道網が発達し、ICカードだけで生活が営める人のほうが圧倒的多数で、切符は紙の管理が面倒くさいので減らしたい意向もわからないわけではないんですよ。ただ、ICやチケットレスに誘導するために、切符時代の有効な機能を使わせないようにするのはおかしいと思うんですよね。

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