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横武小学校の跡地利用について 意見

 豊前市立横武小学校の跡地利用について、今後の皆様の意見が出ることを願って先に意見を述べさせていただきます。
 豊前市では学校再編を現在進めているところです。計画では最終的に令和10年3月末(令和9年度3月末)をもって市内の小学校を閉鎖し、新しい2校の統合小学校に移行します。(合岩地区の9年制義務教育学校は先行して令和8年度春開校予定)それに伴い、横武小学校は150年以上の歴史に幕を閉じることとなります。
 しかし、横武小学校の建物・敷地はそこに残ることとなります。豊前市の所有になりますので、豊前市としては地元の意向も踏まえて跡地を活用したいと考えています。その第一歩として住民の皆さんの意見を聞く作業を令和6年度に行います。
 横武では手続きとして横武地域づくり協議会が中心となり、皆さんの意見をアンケートや会議によってお聞きし、ある程度案を絞って年内に豊前市に答申する予定となっています。豊前市側はその案を財政に照らしながら検討して来年度以降何らかの回答を地元に示す流れになります。

 さて、ここからは事務局として条件を示しながら意見をいくつか述べていきたいと思います。
 小学校が地域からなくなりますと子どもの声や元気が遠ざかり、次第に活気が失われることが一番の懸念材料となります。地元で子どもが育っていけば愛着も生まれ、何らかの形で将来的ふるさとに還元される可能性もありますが、学校がないと子どもを持つ家庭が離れて、ふるさとを愛する人々も次第に減少します。学校跡地にはそういった懸念を埋めてくれる利用方法が一番だと考えます。
 ※見出しの写真は旧小石原小学校(東峰村)の教室利用

①子ども支援センター:現在の施設をそのまま利用
 子どもの声が聞こえる施設として再利用する考え方です。豊前市には子ども支援センターとして千束に「たけのこ」がありますが、幼児期に限られています。もっと幅広い年代(幼時から高校生ぐらいまで)に対応した支援センターを誘致するというのはどうでしょうか。他にも保育園等も考えられますが、令和5年の子どもの出生数が90人を割り込む豊前市の状況では新たな保育園は過剰になるので難しいと考えます。

②農産物加工所や販売所など農業関連施設:現在の施設を改築
 地元に住む人は減っているが、他地域からたくさんの方々が来て賑わいを増やす交流人口を増やす考え方はどうでしょうか。もともと豊前築上地域は農業が盛んな地域です。瀬戸内に面し、平野が広がる豊前国の「豊」はゆたかな地域であることを古代から示しています。お米はもちろんですが、近年はイチゴやブロッコリー、スイートコーンなども栽培が盛んです。ただ、出荷するだけではなく加工、販売、観光に生かせればいいと考えます。合わせて農家レストラン併設もいいのではないでしょうか。

③歴史資料館等文化施設:現在の施設を改築または新築
 横武地区は豊前市の中でも文化に恵まれた地域です。如法寺や千手観音は平安時代から、神楽も古代から続くとされ、近世には蔵春園という教育施設も誕生しました。文化と教育は豊前市でも先駆的な地域です。求菩提山ふもとにある求菩提資料館は修験道資料館として全国的にも貴重な存在ですが、最初の建築から50年が過ぎ老朽化しています。求菩提ゆかりの如法寺がある横武に誘致してはどうでしょうか。財政的には厳しいと思いますが、県立施設なので福岡県へ働きかけることで何とかできないかと思います。

④運動施設公園:現在の施設利用
 横武小学校の体育館は豊前市で一番新しい運動施設です。(平成20年竣工)運動場は広くありませんが、地元では小学生ソフトボールクラブが活躍しています。また、年に数回スポーツ協会主催でグラウンドゴルフ大会なども開かれています。能徳工業団地にある市民体育館はバスケットコートが2面とれる広さがありますが、雨漏り等が絶えず、老朽化しています。アンダーパスを通らなければならない不便もあります。それを補完する施設としての利用価値は高いと考えます。ただし、十分な駐車場がないことからできれば運動施設としては使いずらい現校舎を取り壊し駐車場にすることが求められます。

⑤企業誘致:現在の施設改造
 横武小学校の面積は本格的な工場を誘致するほどの広さはありませんが、全国を見渡すと中小企業の誘致を行った学校跡地利用は見られます。例えば兵庫県養父市では醸造酢の加工所を校舎利用で活用したり、宮崎県えびの市ではとらふぐの養殖場を校舎内に作るというものもあります。福岡県添田町では高校跡地にめんべいの工場を作っています。高速道路豊前インターから車で5分という立地の良さを活用していきたいところです。探せば条件が合致する企業があると思います。

鳥取県八頭町隼ラボ(コワーキングスペース利用)

⑥宅地化・アパート化:現在の施設を更地化または施設改造
 小学校周辺には豊前市が造成した宅地が2か所ありすべて使用されています。上毛町では築上東高校跡地に住宅街が誕生しました。小学校は上下水道が完備しています。交通の便を考えても横武は立地条件はいいと思います。また、全国では教室をそのままアパート化して利用しているところもあります。教室の一部や体育館は共有スペースとして使い、ほかはアパートとして使うなどの工夫があります。

高知県大豊町大田口テラス(教室を住宅として改造)

 いくつか事務局として跡地利用を考えてみました。現実的には財政が伴うことであり、現時点で学校の土地と建物は豊前市の所有になります。地元が自由に使えるわけではありません。しかし、このままでは横武は衰退するばかりです。学校に代わる地元が元気になる利用方法を皆様に提案していただければありがたいです。

 2024年9月10日

 横武地域づくり協議会 事務局長 林川 英昭(横武公民館長)


 


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