【映画】42 〜世界を変えた男〜
400人全員が白人だった1946年までの米メジャーリーグジャッキー・ロビンソンは、最初の黒人選手として道を切り拓いた。
公民権運動前のアメリカでは、トイレも、バスも、球場の入り口も、WHITE(白人専用) / COLORED(有色人種)などで区切られていたし、「人種差別主義」というイデオロギーが健在だった頃の時代。
ぼくたち日本人には、差別というものを日常的に感じることは少ないかもしれない。なぜ差別が起きるのか、自分が誰かを傷つける当事者にならないためにも、理解はしておきたいポイントだ。
差別をしている側には、特にそれといった明確な憎しみがあるわけではないし、親や友達、生まれ育った環境がそうだったから、自分もなんとなく毛嫌いしている。そんな感覚の人が多いのではないかと、イベント参加者の意見を聞いて感じた。
差別をする側に足りないのは、教養と、モラル、美意識。これらが揃っていれば、普遍は何かを知り、目の前で起きていることを相対的に見ることができるのだから、人種差別をしている自分の是非を問うことだってできるだろう。
でも、ここで欠かしてはいけない視点は、差別主義者を絶対悪として非難してしまうこと自体が、対立構造を生んでいるということ。憎しみ、悲しみ、復讐の連鎖を止めるには、勇気を出して「やり返さない」誰かが必要だ。
闘わない勇気をもって、道を切り開いたジャッキー・ロビンソンはまさしく伝説の選手だし、彼を導いたフィクサーも、奥さんも、新聞記者も、同じように覚悟を決めて闘っていたのがとても印象的だった。
誰のために、何のために
改めて生き様についても考えさせられる映画だった。
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