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不動産の相続時には、相続分を考慮した「キャッシュバランス分割」のススメ


「相続」は、誰もがいつかは直面する問題でありながら、何をどうすればいいのか分からない、という方も多いのではないでしょうか?

特に、60代〜70代のご夫婦にとっては、ご自身の老後設計だけでなく、大切な家族に迷惑をかけたくないという思いから、早め早めの相続対策が重要になります。

「うちは財産なんてそれほどないから大丈夫」「子どもたちも仲が良いから揉めることはないだろう」

そう思っていても、いざ相続が始まってみると、予想外のトラブルに発展してしまうケースは少なくありません。

今回は、そうした「相続」に関するお悩みを解決する手段として、注目されている「キャッシュバランス分割」について、実際の事例を交えながら分かりやすく解説していきます。


遺産分割で揉めないために…「キャッシュバランス分割」とは?

「キャッシュバランス分割」とは、遺産を「モノ」ではなく「お金」で捉え、分割する方法です。

例えば、遺産の自宅不動産を、長男夫婦と同居しているからといって安易に長男が相続してしまうと、他の兄弟姉妹との間で不公平感が生まれてしまう可能性があります。

このような場合に、「キャッシュバランス分割」では、自宅を相続した長男が、他の兄弟姉妹に対して、その評価額の一部を現金で支払うといった方法が考えられます。

単純な遺産分割ではなく、「誰が」「どのように」「どのくらいの金額を受け取るのか」という点に着目することで、より公平で、かつ、感情的な摩擦も生みにくい分割方法と言えるでしょう。

【事例で解説】「キャッシュバランス分割」はどんな場面で役立つ?

事例1:自宅不動産と預貯金の分割で悩んだケース

70代のお母さん(父は死亡)、長男夫婦と同居中。長女は嫁いでおり、県外に在住。
財産は、自宅不動産(7000万円)と預貯金の約1億円。

<お悩み>

  • 自宅は長男夫婦に相続させたいが、長女にも平等に相続させたい

  • 長女には、金銭的に余裕がないため、まとまったお金を渡したい

<解決策>

自宅を長男が相続(8500万円:自宅7000万円+1500万円)し、その不動産と現金を長女に分割(8500万円)することで解決。
もし、遺産に現金が少ない場合は、長女への渡すお金を長男夫婦が準備できるように、生命保険を活用する方法もあります。公平な遺産分割と長男夫婦の経済的な負担軽減を両立できます。

事例2:不動産を売却せずに、円満な遺産分割を実現したいケース

60代のご夫婦、子どもは独立しており、夫婦二人暮らし。
財産は、賃貸マンションと預貯金の約8,000万円。

<お悩み>

  • 子どもたちに迷惑をかけずに、老後資金を確保したい

  • 将来的には、施設への入居も検討している

  • 賃貸マンションは、売却せずに子どもたちに相続させたい

<解決策>

当面は賃貸マンションから得られる家賃収入を、子どもたちの生活費援助や老後資金に充てる方法を提案。
不動産は分割せずに相続させて、なるべく公平になるような財産の分割方法を提案しつつ、将来的なご夫婦の施設入居費用の捻出方法などを明確にしておくことで、子どもたちの負担を軽減し、安心して老後を過ごすことができます。

まずは専門家への相談を!

「キャッシュバランス分割」は、柔軟な発想に基づいた分割方法です。

ご自身の家族構成や資産状況、将来設計などを考慮しながら、最適なプランを検討していく必要があります。

「相続」に関するお悩みは、一人で抱え込まず、まずは専門家にご相談ください。

経験豊富な相続専門家が、お客様一人ひとりの状況に合わせて、最適なプランをご提案いたします。

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