マンダラバー
曼荼羅ラブ
もじゃもじゃヘア
六月も一週間が過ぎようとしていた六日の双子座新月
私は彼女を求めた
新月や満月の心のゆらぎはよくあることで、その日も例外ではなかった
一生を掛けて達成したい目標があった私はその日、到達できなかった自分を嘆いていた
いつもなら泣いて、慰めて、また日常に戻る
だけどその日は不意に、求めなければ、と魂が叫んだ
彼女にアポを取ったあと目に飛び込んできたのは、お慕いしているOさんからのメッセージ
「イニシャルAさんが実現させてくれますよ」
彼女のイニシャルはA、同じ新月生まれ
目標達成できなかった現実を味わいながら過ごした時間で、私は "愛" というものを学んでいた
"愛" は、与えるものだと生きてきた
それなのにここへ来て、与えて、受け取り、求めなければ、しゃぼん玉のように消えてなくなるのが愛だと知った
彼女はブックスタンドのような人だった
救おうとさせてくれない初めての人
前に戻りなさんな、と柔らかな物腰でそれまでと今を分ける
私だけがただ救われた感覚
彼女はどうだったのだろう?気になってしまう
もじゃもじゃヘアがやっとしっくりきてる、と言った彼女は、眼鏡がよく似合うマンダラバー