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ずるい私

そんな星回りなのか
2024年の8月は、初対面の人に出会う機会がものすごく多かった

パッと思い出して、ザッと数えて、サクっと答えを出してみて、30人以上と人たちと出会った

しかも、一人一人と一対一で向き合い、会話を繰り広げたから、一人一人のことをよく覚えている

その中でも、ひとりの女性との出会いが、私の血流の流れを時に淀める石ころを、粉々にしてくれた

私は私の感情を出すことをしばしば躊躇する

長年染み付いた癖なのか、ポリシーなのか、良かれと身体がそう反応するのか、深く深く、自分のことを内観すれば、答えは見つかるだろうけど、人にはひとつの答えだけでは語れないもの、てもんがある

だけれど、その石ころが、私の全身の淀みの原因になっていたことも認識していた

人の力を借りて、クリアにすることも
ひとりの時間で、成仏させることも
石ころを携えて、生きていくことも
選択肢として、選ぶことができた

そんなある時、彼女は現れた

初対面にもかかわらず、彼女との会話は、面白いように弾んだ

共通点がいくつもあり、会って間もなく、お互いのプライベートの話題になった

いつもの私だったら話さない、人に答えを委ねない、そんなことも彼女には自然とこぼれた

ある話をし始めたとき、彼女の顔色の雲行きが怪しいのを感じた

気付いてはいたけど、その日の私の口は、どうしてか止まらなかった

一通り話し終えるか、終えないかのそのとき、彼女が私の目を見てこう言った

「ずるいよ」

、、、

彼女の言葉に反応し、言葉より先に、顔がニヤけた
顔がニヤけてニヤけて、言葉が出てこなかった

「ずるいんだ、、」

「それって、ずるいんだ」

「私って、ずるいんだ」

その時の感情が、今でも不思議でたまらない

嬉しくて、スッキリしたのだ

「私は、ずるい」

彼女と別れた帰り道、何度も口にした

「私って、ずるいんだ」

彼女とのご縁は、どうしてか、次の日切れた

私は、"ずるい私" が居ることが、どうしようもなく嬉しくて、彼女には感謝の気持ちでいっぱいだった


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