4歳児、モノを自ら手放す。
4歳の息子がいます。
とある日の夜。
ダイニングテーブルをそそくさと片付け始めた私に続くように、息子も片付けスイッチが入ったよう。
足の踏み場もないほど遊び散らかした自分の部屋のおもちゃたちを、エネルギッシュに片付け始めました。
ミニカーなどの自動車系おもちゃが大好きな彼は、立体駐車場スタイルの棚に車をキレイに戻すのが好き。
「ママよりも上手にお片付けできるんだよね~」
「見てみて!きれいでしょ?!見てみて!」
キッチンで後片付けをしている私を何度も呼び込んで、トミカ収納の美しさを見せてくれます。
なんだかその日はやけにご機嫌でした。
もちろん、こんな日ばかりではありませんが。
息子を横目に家事をしながら、「ああ、もうおもちゃの量が収納キャパに対して100%を越えそうだな...」と頭のなかで片付けプランを練り始めてしまう私。
でもどうせ何一つ処分させてもらえないだろうな。
待ちに待った4年、ついにその時がきた
これまで「おもちゃはぜーんぶ捨てない!ぜーんぶ僕の!」と言い張ってきた息子。
どれだけおもちゃ収納がいっぱいでも、私が一方的に彼のおもちゃを処分することは許されませんでした。
だから、収納に使える空間を増やして対応しつつ、0~1歳期に使っていたような乳児用のおもちゃは、二軍おもちゃとしてクローゼットの手の届かないところに保管し、本人が忘れた頃にそっと手放したりしていたんです。
まだまだ自分で判断することは難しい年齢。
さすがにもうこれ以上入らないなあ...とモヤモヤしていた日々だったので、思いきって聞いてみることに。
もうこれいらないかなーって思うおもちゃ、ある?
(※注)普段の片付けレッスンでは、「いらないもの」ではなく「いま何が自分にとって大事なものなのか」にフォーカスするようお伝えしています。今回は相手が幼児ということもあり、分かりやすくするためにこの言葉を使っています。
また「ない!」でおわっちゃうかな...
と思うまもなく食いぎみに喋りだした4歳児。
あるよ!
これと、この車はもういらないやつ。
そういって、バスケットの中からがさごそとりだされた2台の車のおもちゃ。たまたまみつけて手に取ったのではなく、かなりの意思をもって選んだ様子。
いつからか、いらないなーっと思っていたんだね。
※これは写真に収めねば!と気づき、「ちょちょちょちょっと写真を撮らせて!」とカメラを構え撮影😂
これはたしか、大戸屋でご飯を食べたときにおまけでもらったもの。簡易的なプラスチックの車だけど、トミカを差し置いて結構お気に入りだった時期もあったおもちゃです。
へー!そうなんだ?!
え、なんでもういらないかなーって思ったの?
だって、ぶーんって、もう強く走らないから。
いらないの。
へーーー!
そう思ってたんだ!びっくりだよママは。知らなかったよ。走力を基準にしていたんだね君は。
そっか。
そしたら、これが初めてちゃんと自分で選んでバイバイするおもちゃってことになるね!
一緒にありがとうして、バイバイしよっか。
うん、いいよ!
ということで、車たちに敬意を表し、紙袋に大切に入れてあげました。
ありがとう。ばいば~い!
この瞬間をずっと待っていました。
心の中で感涙する私...大きくなったな、息子よ。
じゃあ寝よっか~とパジャマに着替え、歯磨きもせねば...と準備していたら
絵本もいらないやつ選ぼう~っと。
なんと、今度は本棚で絵本を選び始めました。
なんだこの奇跡の展開は!!!
えええ?!?!自ら?!これは夢?!?!笑
絵本大好きじゃん!いらないやつなんてあるの?!
もう、感動と疑問の嵐で心がいっぱいです。
これいらない!
とものの数秒で取り出した1冊の絵本。
ほう、確かにこれはほとんど読んだことがないやつだ。
一回だけ読んでからばいばいする~
と言いながら、ぺらぺらとページをめくり始めました。
そして最後のページまでいくと、ばいば~い!と言って紙袋へ。
この絵本はなんでもういらないの?と聞いてみましたが、今度はなぜか教えてくれませんでした。(なんでや)
絵本はまだまだキレイだから、もちろんメルカリ出品行きです。
さて。最後にこんな会話もしました。
おもちゃの収納、いまどれぐらいいっぱい?
もうぱんぱんだよね。
これから、もし「もうこれバイバイしてもいいなー」って思ったおもちゃがあったら、ママに教えてくれる?
また紙袋に入れて、一緒にありがとうしよう!
わかったあ~
※本当に分かったのかは要観察(笑)
対話することの重要性
年齢が低すぎると、自分で取捨選択することはなかなか難しいものです。(大人でもこれってめちゃくちゃ難しいのですが)
一定年齢までは、無限に増え続けるおもちゃの取捨選択は親がしなければなりません。
※片付け方は1年前に書いた参考記事をどうぞ↓
きっと、その子によって適齢期があるんですね。
我が家は、たまたま4歳2ヶ月でした。
もっと早い子もいるかもしれないし、もっとゆっくりな子もいると思います。
今回は「あ、今きいても大丈夫そうかな?」というふとした瞬間を逃さず、勇気を出して聞いてみるのもあり!という実体験となりました。
本人が嫌がっているのに無理やりおもちゃを捨てたり、「なんで片付けないの!」と毎度のようにプンスカしていたら、きっと片付けがあまり好きではなくなってしまうから。
少しずつ、対話してみてください。
そんな風に思ってたんだ?!という発見があるかもしれません。(ないかもしれません。笑)
ゆっくりいきましょう。
収納術は二の次でいい。
まずは取捨選択ができること。
これは片付けレッスンにおいていつもクライアントにお伝えしているし、過去のブログなどで何度も書いていることなのですが
収納術に凝るのは二の次でいい
ということを再度お伝えしたいです。
少し大胆に言ってしまえば、自分と対峙して、ちゃんと取捨選択さえできれば、不思議とその空間に収まるんです。
本当に不思議ですが、そうなんです。
でも、この選びきるっていうのがなかなか難しくて、奥が深い。
時間も労力もかかります。
大人がそうなのですから、子どもはいわんをや。
でも、身の回りにあるモノを、明確な意思をもって1つ1つ選ぶことができたら、それは人の胆力、決断力に繋がるんじゃないかと思っています。
片付けで心のアンテナを立てる
人生は選択の連続とよく言うじゃないですか。
何かチャンスが巡ってきたり、何か見聞きしたときに、「おや?」とピンとくるかどうか、って重要ですよね。
あとはそれをさっと掴める瞬発力とか。
そんなことを言って、あんたはどんな素晴らしい決断をして人生を送ってる人間なんだい?と思われてしまうかもしれません....いや、本当に確かに、まったくもって素晴らしい人間でもなんでもないし、うだうだ悩むときもまあまあ、あります。
ただ1つ自信をもって言えることは、結果がどうあれ「これが今の自分にとって必要か不必要か、ちゃんと自分で責任をもって決められる」ということです。どんな結果だったとしても、自分で引き受けて、次の糧にするということ。
この「私は自分でちゃんと決められるんだ」という自信は、人生の手綱を他人に明け渡さず、自分でハンドリングすることに繋がると思うんです。
片付けとは
セルフケアであり
自分への傾聴であり
人生の小さな決断の中の1つ
たくさんのご家庭で、選ぶ力をお子さんと育めますよう!
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