【「飲む?」「呑む?」中学生の鋭すぎる質問】
昨日、地元の中学生が職業体験として弊社に。
半日を通して、酒の製法、歴史、文化などを伝えました。
最後、「質問はありますか?」と聞くと、一人の女の子から「前から不思議だったんですが…」と、次のような問いを…
「お酒って『飲む』と『呑む』、2つ言い方がありますよね?これってどう使い分けているんですか?」
おぉっ!!なんと鋭い質問!!
そして難しい!!
国語辞典的解釈では、液体は「飲む」、個体は「呑む」といわれているそうですが、お酒の場合は「お酒を飲む」、「お酒を呑む」どちらの表記も正しいのだとか。
液体と固体の違いで表記が違うとなると、お酒は液体なので、オフィシャルには「飲む」を使うのが正しいのですが、ちょっとくだけたニュアンスで使う場合「呑む」ですよね。
ルールがあるようでなかった感覚的使い分けの表現。あいまい、かつ雰囲気でおそらく正解はない日本語独特の同音異義語。ん?いや、同音同義異語?
その鋭い問いに一瞬考えた結果、私が出した解答は
「TPOに合わせた距離感」でした。
商品紹介などオフィシャルかつ公な場では「飲む」を使うことが比較的多く、個々の顔が見えるような、割とくだけた近い距離感では「呑む」を使っています。ただし、絶対のルールはなく、その時の雰囲気ってのもある。
「香り華やかなお酒です。是非お飲みください。」
「酒の会、盛り上がって呑みましょう!」
的な。
変な例えですが、名前を呼ぶ時
「◯◯さん」
「◯◯ちゃん」
な感じ?と言えば伝わるかな…
「さん」(ちょっと固い) =「飲む」
「ちゃん」(くだけた感じ)=「呑む」
どうでしょう?
これでニュアンス伝わりますかね?
お酒という液体を単に物質的に「飲む」のではなく、お酒を誰と、どこで、何と飲むのかというシーン、より近い情景を感じさせる場合「呑む」に変化するのかなと。
それはお酒が「酔うもの」だからに他なりません。
お酒をまだ飲めない年代だからこそ、こうした素朴かつ核心を突く問いが出てくるんだなと、思わずたじろぎつつ、大変感心した次第です。
当たり前を当たり前と思わないこと、勉強になりました。