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ミコちゃんの声が好きだという話

京都のアイドルグループ:きのホ。のメンバー、御守ミコさんが以前こんなツイートをしていました。

「高音域が聞き取りづらい」という話は以前から公表されていた話。他の人とちょっと違う部分があるのはところどころ大変なんだろうなとは思います。

私自身、目が遺伝性の色覚(色弱)でして、色の判別とかちょっと苦手。普段の生活ではそれほど困らないんですが、たまに黒と紺色が識別できなかったり赤が見えづらかったりしてます。ふとした瞬間に困るんですよね、こういうの。

御守ミコさんの発声は確かに他の人と違う部分があるんですが、きのホ。の中ではその歌声が非常に有効に機能しています。

「アイドルの価値は全て楽曲とパフォーマンスで判断する」人間の私が、「なぜ御守ミコさんの歌声が好きなのか」、音楽的な面から2つのポイントについてお話したいと思います。


ポイントその1 場面転換

映画やドラマを見ても、ひとつの場面だけで物語を展開させていくのは非常に稀です。いくつかの場面をつなぎ合わせて物語を展開させていきます。

楽曲も同じで「1曲の中でどうやって変化をつけるか」工夫されている場合が多いです。リズムだったり、楽器の種類だったり音色だったり、それこそ曲調が急にガラッと変わる場合すらあります。

その辺は制作者側の工夫なわけですが、ステージ上にいるアイドル側でも楽曲の流れに変化をもたらすことができます。

例えばきのホ。で言えば「相合傘」だったり「リビングデッド」だったり。そう、いわゆる「スーパーミコタイム」ですね、はい。

この手の「楽曲の雰囲気を一変させる歌声」って、アイドルグループの場合はいわゆるアニメ声だったりロリ声だったりすることが多いんですが、御守ミコさんの場合はそうではない、ごく普通の歌声。なのに場面転換ができちゃう。そういう声質を持っている人ってなかなかいないんですよ。

そう、御守ミコさんの歌声は特別で最高なんです。

ポイントその2 ハーモニー

ではその歌声が他の人と混ざるとどうなるのか。

きのホ。は積極的にハモリを導入しています。おそらく他のアイドルグループと比べてもハモリパートが多いほうだと思いますし、それがバチッとハマる瞬間を何度も見ています。

その中で御守ミコさんの果たしている役割は非常に大きいです。

きのホ。の他のメンバーの歌声は力強くライブでは特に熱い歌声に聞こえます。その辺がきのホ。の楽曲とマッチして非常に熱量の高いライブを繰り広げます。

一方、御守ミコさんの歌声は柔らかさ・暖かさを持っていて、いろんなものを包みこんでくれます。この声質こそが(特にハモリ側にまわったときに)有効に効いてきます。それはどういうことなのか。


音楽機材には「ディレイ」という機材があります。やまびこ効果を出すための機材です。で、このディレイ、ざっくり言うと2種類に分けることが出来ます。やまびこ音がハイファイで綺麗な「デジタルディレイ」とやまびこ音がちょっと暗い音になる「アナログディレイ」に分けられます。

ではアナログとデジタル、どちらが好まれるのか。音楽ジャンルによりケースバイケースなんですが、どれだけ高音質なデジタルディレイが発達しようとも、アナログディレイの持つ暖かさを求めるミュージシャンは多いです。

きのホ。のファンにもお馴染み、浪漫革命 後藤潤一さんのペダルボードには、strymonのel capistanという「デジタル技術でアナログサウンドをシミュレートしたディレイペダル」が導入されています。

さて、ここで御守ミコさんの声質の話に戻ります。御守ミコさんの温かい歌声、これこそまさにアナログディレイ的なサウンド。他のメンバーの歌声をそっと包み、全体的にとても有機的で心地よいハーモニーに仕上がります。そしてその有機的なハーモニーはきのホ。のサウンドにこの上なくマッチしています。

御守ミコさんの歌声はきのホ。のハーモニーを数段階上に引き上げています。これこそが「私がミコちゃんの声が好き」という理由です。


そんな御守ミコさんの歌声、一度聞いてみませんか?

で、なにが怖いってね、そこまで考えてきのホ。のサウンドは作られているんだろうなと。メンバー全員の歌声が最大限に効果を発揮するようにああいうサウンドになっているんだろうなと。そして結果として出てくるサウンドが最高な訳ですよ。。

新井ポテト恐るべしって話でした。

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