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トム・ヨークに見初められた男に会いに……!

下北沢に新しいライブハウスができた。ロフト系列のflowers LOFT Shimokitazawa。

路上の花になろう

フラワー・ムーヴメントからとった名前ではなく、いとうせいこうさんが新宿路上で「君たちは路上の花だ」と呼びかけていたことが由来だそう。

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入り口のネオンサインには、「デモ隊の諸君、君たちは路上の花だ」といういとうさんの詩からとったメッセージがこめられている。いとうさんが寄贈したものらしい。このサインをくぐってライブハウスに入る。これだけで、ちょっと気合いが入る。

こけら落とし公演

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こけら落とし公演のタイトルは「路上に花を咲かせましょう」。入り口にはMUTE BEATの『FLOWER』のアルバムがかけられ、曲が流れていた。会場中にオープン祝いの花とたくさんのキャンドル。なんだかこれだけで泣ける。

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前置きが長くなってしまった。この日のスリーマンライブは、いとうせいこうis the poet (ITP)、あらかじめ決められた恋人たちへ、Mars89。もちろん、いつでも全力でステージングするエロクトロ・ダブユニットのあら恋、いとうさんがダブに合わせてポエトリーリーディングするITPも大満足であるが、なんといっても観たかったのはMars89であった。

Mars89のドリームストーリー

レディオヘッドのフロントマンであるトム・ヨークが2018年秋に「レイト・ジャンクション」というラジオ番組のためにプレイリストを制作。

「ピエール・アンリに始まり、エイフェックス・ツイン、マーズ89など、時代をまたいだエレクトロニック・ミュージックへの関心や実験的なヴォーカル・テクニックへの愛情を反映したものであり、ストックハウゼンやクラウトロックのファウストなどによる名作も組み込まれています」

Mars89は、アンダーカバー2019-20 AWコレクションのランウェイの音楽を担当。アンダーカバーレコーズからリリースしている。

2018年9月にイギリス・ブリストルのレーベルBokeh VersionsからセカンドEP「End of the Death」をリリース。このEPを皮切りに多くのクリエイターを虜にするUNDERCOVERのコレクション音楽の制作が決定、エレクトロミュージックの名門レーベルWarpがプレイリストでピックアップ、さらにはトム・ヨークのプレイリストにも抜擢される。

Mars89。とにかく内省的で攻撃的。トム・ヨークがプレイリストにピックアップしたのも納得。

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この日はオープニングアクトだったためか、正直、フロアにはかなりゆとりがあった。こんな風に彼の音を贅沢に浴びることはもう二度とできないかもなと思いながら、たっぷりと吸収。

実は遅ればせながらの2020年ライブ初め。やっとスウィッチが入った!

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開発が進み、猛スピードで景色が変わっていく下北沢の駅前に咲いたFlowers Loft。この日のMars89と同様、気を吐いて路上に花を咲かせ続けて欲しい。

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