メディアとジェンダー。世界と日本、そして私
この4連休に22時には就寝する生活を送っていたら、早朝には目が覚め、朝の7時には、これまでのお昼くらいのコンディションに。低血圧気味なので、早起きすると1日が有意義に使えるな、などと当たり前のことを改めて思う。
SeeHerムーブメント
そして、朝のラジオでAssociation of NationalAdvertisers(ANA/アメリカ広告主協会)によるアクション、「SeeHer」ムーブメントを知る。
「メディアにおいてすべての女性と少女を正しく描き、彼女達が自分自身をありのままの姿で見ることができるようにする」ことを目標としており、以下のリストを掲げている。
・適切で好意的な女性像を描く
・敬意とマナーのある女性の表現
・良いロールモデルとなる女性像を見せる
・人々が自分自身に対してポジティブになれるようにする
・すべての年齢に適切なようにする
・女性の身体を正しく描く
・宣伝されているブランドや製品の筋が通るようにする
一方で、SNSで『サザエさん』のフネさんだけが波平さんに敬語を使っていることに疑問を抱いた子供の発言が拡散していた。あまりにも馴染みが過ぎて『サザエさん』の家族のあり方に疑問を抱いたことなどなかったけれど、これも考えるべき問題なのだろうか?
ジェンダー差別のない韓国映画10作
そして、ラジオでもうひとネタ。韓国映画界は、ベクデルテストをクリアしたジェンダー差別のない優秀10作品を選定し、発表したとのこと。
「ベクデルテスト」クリアの基準はとてもシンプルだ。映画作品中「最低でも2人以上の名前付きの女性のキャラクターが登場」し、「女性キャラクター同士の会話」があり、「その会話は男性のこと以外」の内容かどうかである。映画の内容が男性中心に片寄ってしまわないよう、性別の平等化を守るためにできたテストである。
男優賞、女優賞が俳優賞に変わる日
ベルリン国際映画祭は、演技分野の賞を性別で分けることをやめ、来年2月の次回映画祭から「最優秀主演俳優賞」と「最優秀助演俳優賞」に統一すると発表。
監督賞などには男女の区別はなく、主催者は俳優部門の性区別廃止について「映画界がよりジェンダー意識に敏感になるためのシグナルになる」としている。
フェアなジャッジがなされるかどうか、これまで以上にシビアに世界中の映画ファンから検証されることとなるはずで、かなりの英断だと思う。ジェンダー意識の高まりから、「いつかなくなるかも」と囁かれていたが、社会派の映画が多いとされるベルリン映画祭からというのは納得。
同性愛から異性愛への挿げ替え
そして、昨日、私のタイムライン上でたくさん議論されていたのが、グザヴィエ・ドラン監督の新作『アティアス&マキシム』の宣伝ポスター。
公式は、以下のようにコラボの意味を語っているけれど。
大方の意見は、以下に集約される。
わざわざ漫画作品『溺れるナイフ』を引き合いに出し、なぜ男女のラブストーリーに置き換えてしまったのか?
私は、映画執筆家の児玉美月さんの意見に完全同意。
ちなみに、ヒグチユウコさんとのコラボは素晴らしい(ヒグチさんの映画とのコラボはいつも素晴らしい)。
ジェンダー意識は、どんどん刷新されている。自分の周りだけではなく、世界では何が起きているかを知ることが大切だ。
「自分が世界をどう見ているか」という主観だけではなく、同時に、「世界から自分はどう見えるのか」という客観を。
【追記 2020.09.26】
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