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「存在してる」という圧

聖子ちゃんのクリスマスディナーショーへ。聖子ちゃんのライブ、初めては数年前のジャズのライブ以来、2度目。ディナーショーという形式のライブは、人生でマッチ以来2回目。会場は飛天の間。小さい頃からブラウン管を通して(そう、ブラウン管の頃)、目にしていた高輪プリンスの飛天の間。足を踏み入れたのは、人生(おそらく)初めて。

会場の中央には花道が作れて、そのまわりを円卓が囲む。天井には絢爛なシャンデリア。圧巻の大広間。

前菜、スープ、主菜、デザートといただき、コーヒが供される頃、「いよいよライブが始まる」の空気が沸き立ち始める(ちなみに私はマッチのディナーショーを体験するまで、食事をしながらライブを観るものだと思っていた。もちろん通常のライブより価格は高いけれど、近年の海外アーティストのチケット代を考えたら、「ディナーショーって、かなりコスパいいんじゃないかな」と思う)。

食事の音もしゃべり声も聞こえなくり、会場が暗転。どこからともなく聖子ちゃんコール。

いよいよだ!

聖子ちゃん登場。

まだ、ディナーショーは続いているのでセットリストは控えるが、本当にヒットメドレー(あの頃とアレンジは違うのに、結構、いい線で超イントロドンでもかなり正解できたと思う)。もちろん「あの歌も聴きたかった」はあるけれど、「この歌が聴けた!」という感慨の方が激しく大きい。

ゴージャスだったり、エレガンスなドレスを纏う聖子ちゃんもいいけれど、やっぱり膝丈のあの頃の雰囲気漂うドレスをまとった聖子ちゃんが両手を広げながら、花道を軽やかにかけてきた時がこの日の私のスーパーハイライト。確かに、そこにいたのは小学生の時の私。デビュー曲『裸足の季節』を聴いた衝撃でエクボを作りたいと頬を吸っていた頃の私。

通常のライブ会場とは違う「近さ」がある。フィジカルではなく、心的距離。

聖子ちゃんが、そこにいる。「存在している」という圧! 「松田聖子がいる」という圧!!  身体から発せられる圧が風圧となって空気をつたってくるような感覚。

「ありがたい」と素直に両手を合わせたくなったライブは人生初めてだったように思う。

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