つまり、ラブコメのテーマはHOW TO BE SINGLE⁉︎
東京は梅雨が明けた。昨日は、いきなりの30度超え。今年は自粛生活で空調の中にいる時間が増えていることともあるのか、6月、7月と、体が暑さに慣らされる時間が例年より少なかったせいか、なかなか身体が気候の変化に追いつけない。
というわけで、昨日紹介した『ロングショット 僕と彼女のありえない恋』に続き、本日も配信で観られる(私が最近観た)コメディ映画を紹介したいと思う。
マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ
STORY主人公のマギー(グレタ・ガーウィック)が、恋に落ちた既婚者との結婚して子供のをもつ。そして、結婚生活を送る中で違和感が出てきたマギーは、夫は前妻と一緒にいた方が幸せだということに気がつき、前妻に夫を返そうとする。
つまり、タイトルのマギーズ・プランとは、「子供をもつ」「前妻に夫を返す」をさす。
それを聞いて「自分勝手な!」とか「荒唐無稽な話すぎる!」。そう思われた方もいるかもしれないが、グレタ・ガーウィックの演技とニューヨークの洒脱な雰囲気が相まって、イラつかずに見えるのでご安心を。
結婚生活は事業運営である。仕事であるならば、時間の経過と共にプロジェクトの目標は変わる。その構成メンバーは入れ替わっていく方が効率が良いはずなのに、結婚生活はそうはいかない。マギーは、終身雇用というメンバーシップ型ではなく、結婚生活にジョブ型スタイルを求めている女性なのだな〜。そんなことを考えた。
自分自身に対し誠実に生きること。作品紹介では、ハートフルコメディとカテゴライズされているが、「誰かのために生きる」を理由にして、自分をおざなりにしている自覚があるのならば、深く考えさせられるだろう。さらに言うなら、結婚制度そのものに対して、問題提起をしている作品だとも思う。
ワタシが私を見つけるまで
とにもかくにもシングルを謳歌する女性。精子バンクを使ってシングルマザーになることを試みる女性。マッチングアプリでひたすらパートナーを探そうとする女性。そして、恋人がいない生活をしてみたいと、あえて彼と別れる女性……ニューヨークで暮らすシングルな男女たちの群像劇。
原題は、HOW TO BE SINGLE。劇中、ひとりでいることに慣れない登場人物が「自分が誰なのか分からなくなる!」というような弱音をはくシーンが出てくる。その時に、漫画の『宇宙兄弟』の1シーンを思い出した。宇宙で一人で漂う宇宙飛行士が「We are lonely,but not alone(我々は孤独だが、一人ではない)」と発するシーンだ。
自分は誰と行動を共にしていようが「個」であり、そして「孤独」である。「自分」は誰といようといまいと「自分」でしかない。この映画は、それに自覚的になることを描いた物語であると思う。
wikiによると、「『ワタシが私を見つけるまで』はフェミニスト的ロマンティック・コメディ映画であることを売りにしており、ロマコメの定型を覆そうとした。しかし、その型に進んではまり込むという失策を犯した。」ということのようだ。それはマーケティングのミスであって、作品のテーマ自体の魅力が損なわれているわけではない。
と、真面目に書いてしまったけれど、真夏の太陽が照りつける日曜日。冷房が効いた部屋で、好きなドリンクを横に置いて、リラックスしながら観る映画として最適な2本だと思う。
洒脱な雰囲気に浸り、ニューヨークに脳内逃避行したいなら『マギーズプラン』、ゲラゲラ笑ってスッキリしたなら、コメディエンヌのレベル・ウィルソンが効いている『ワタシが〜』がオススメ。
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