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貨幣は鋳造された自由である(商品券ではダメなのだ)
タイトルはドフトエフスキーの言葉。さらに、
もちろん金は絶対的な力である。と同時に、平等の極致でもある。金の持つ偉大な力は、まさにそこにあるのだ。金はすべての不平等を平等にする。〜『未成年』より〜
とも言った。
そして、昨日のニュース。
和牛の商品券??? あまりにも限定的。
旅行代助成も、百貨店商品券もしかり。
お金(を支給すること)の最大のメリットは、「その自由さにあり、そして、平等である」ところなのだと思う。商品券や特定のものにしか効力を発揮しない助成金ではそれがなしえない。
各国や各都市の主な動き。
【アメリカ】
アメリカで支給されるコロナ一時金の詳細。大人1200ドル(13万円)子ども500ドルの小切手が郵送される。2019年度の年収99000ドル(1千百万円)以上の個人またはその倍の年収がある夫婦は受給できない。受給資格者は全納税者の9割。 https://t.co/sBjc2UeR3X
— 町山智浩 (@TomoMachi) March 25, 2020
【ドイツ】
【ベルリン市】
ベルリン市政府がフリーランサーに対して一人当たり一括15.000 € (約175万円)の援助を検討中のよう。対象は他支援を受けず従業員を持たずに一人で活動するクリエイティブ分野を含む約20.000人が想定されており、支援の「官僚主義ではなく、迅速な」実行を強調している。https://t.co/DC0yxTKlUC
— shiro shita saori (@shirushita) March 18, 2020
【ニュージーランド】
【イギリス】
コロナウイルスによる全英封鎖に伴い、イギリスは自営業者にも収入補償へ。利潤の8割、最高で月2500ポンド(33万円)
— Masahiro Ono 小野 昌弘 (@masahirono) March 26, 2020
(補償は利潤によるので、利益がまだでていない軌道に乗る前のビジネスをしている人は辛いかもしれない) https://t.co/oTx1uRByGU
……などなど。
以下は、思想家のユヴァル・ノア・ハラリ氏の緊急寄稿より。
長期の孤立主義政策は経済の崩壊につながるだけで、真の感染症対策にはならない。むしろ、その正反対だ。感染症の大流行への本当の対抗手段は、分離ではなく協力なのだ。
どこであれ1国における感染症の拡大が、全人類を危険にさらすということだ。
今日、人類が深刻な危機に直面しているのは、新型コロナウイルスのせいばかりではなく、人間どうしの信頼の欠如のせいでもある。感染症を打ち負かすためには、人々は科学の専門家を信頼し、国民は公的機関を信頼し、各国は互いを信頼する必要がある。この数年間、無責任な政治家たちが、科学や公的機関や国際協力に対する信頼を、故意に損なってきた。その結果、今や私たちは、協調的でグローバルな対応を奨励し、組織し、資金を出すグローバルな指導者が不在の状態で、今回の危機に直面している。
ビル・ゲイツのオープンレターから。
多くの人々が 新型コロナウイルス (Covid-19)を大災害だと捉えていますが、私は *大修正* の良い機会だと思っています。コロナウイルスは私たちが忘れてしまった大切なことを思い出させるためのレッスンをもたらしてくれたのではないでしょうか。今回のことを将来にどう生かすか。それは私たち次第です。
これから東京はしばらく自由意志で外に出歩くことが難しくなるかもしれない。古い価値観ばかりがニュースとなって目の前をかけめぐり、暗澹とした気持ちにもなるが、それでも、ビル・ゲイツの言葉を借りるなら、これは大修正の良い機会。未来の教科書にしっかりと掲載されるであろう、この右往左往の2020年を境に、きっと私たちの価値観は大きくリセットされる。
話を始めに戻す。商品券には、今必要とされる自由と平等がない。
金は鋳造された自由である。だから自由をすっかり剥奪された人間にとっては十倍も尊い。金がポケットの中でちゃらちゃら鳴っていさえすれば、彼はもう、それを使うことができなくても、なかば慰安を与えられているのだ。〜ドフトエフスキー『死の家の記録』より〜
今日の一冊
【追記】
本日の昼くらいのニュース。本気なの?