コロナがあって僕らは出会った
今年、私が参加する(おそらく)最初で最後になるであろうフェス(ハイライフ八ヶ岳)2日目。
1日目に感動した、(グラミー賞にもノミネートされたことのある)starRoのDJが朝イチでも観られるというので、リフトに乗って八ヶ岳連山を一望できる清里テラスへ。
タイミングが合えば、雲海を見下ろすこともできる(写真はHPより)。
山頂に近づいていくにつれ、どんどん霧が深くなり…
ミストサウナばりの濃霧(奥に見えるのがDJブース)。
機材も湿気との闘い。設営も大変そう。
濃霧の中、DJはスタート。途中、複数の犬が遠吠えをしだし(このフェスは愛犬を連れて参加する方が多いもよう)、「あぁ、もう現世には戻れないかもしれない」などと思ったり。
Instagramにも投稿したけれど、変わりゆく霧の濃淡も相まって、リチュアルな様相(Instagramに動画を少しだけアップしてあります)。ストーリーや緩急が完璧で、超大作映画を観たかのようなカタルシス、余韻を味わうことができた。
今回のハイライフ八ヶ岳の、間違いなくベストアクト。
フェスといえば、自分が聞いてこなかったアーティストに触れることができるのが醍醐味でもある。今回、みっけもんだと感じたのがMONO NO AWARE。バンド名は聞いたことがあったが、今までは完全にスルーしていた。
数曲、「おっ」と惹かれるメロディ、リズムがあり、「これは生で聴かないと(音源で聴いただけでは)スルーしちゃうんだよね」などと夫と言い合う。
そして、ヴォーカルの玉置さんのMCは絶品。笑いも真面目な話もお上手(ファンという色眼鏡ナシに、MCが成立するアーティストは意外に少ない)。
とりわけ最後に語られた「会場に来る前に、広い田んぼで稲刈りしてるお爺ちゃんを見た。社会の中でコロナと向き合っていると焦燥感や不安にかられるけど、自然は意に介さず淡々としているなぁ。これまでと同じように収穫できるんだぁ、という当たり前のことを思った。ウィルスも自然の産物だけど、人間もそう。不安になりすぎずに淡々といきたいものですね」というような言葉が印象的で、「たくさんの賢明な判断の上に、開催を例年通りに実施した主催者の勇気に拍手を」と締めくくった。会場は拍手で包まれた。
クラムボンのメンバーは、「泣きそうや〜」と何回も連呼した。フェスに足を運べなかった私たち以上に、演奏の場を奪われていたアーティストは辛かったのだ。
セットチェンジの間、ステージ上で「クラムボンやROVOを呼べるようなフェスになりました」と主催者の方は言った。
徐々に大きく育ててきたフェスを二度と開催できないものにしてしまうリスクと隣り合わせだ。
以下、starRoのつぶやきより。
本当に勇気、そして、希望だけが開催理由だったように思う。コロナがなく、例年通り各地でフェスが開催されていたら、ハッキリ言って私はこのフェスに足を運ばなかっただろう。
コロナがあって、私はハイライフ八ヶ岳に出会った。