インターメディアテク 特別展示 _MODULE アントロポメトリア(人体測定)http://www.intermediatheque.jp/ja/schedule/view/id/IMT0004 2013年7月4日
10年前のメモが出てきたのでここに保存。
インターメディアテクは、常設と企画の間に仕切りがなく、同じフロアにあります。
特別展示 _MODULE アントロポメトリア(人体測定)
http://www.intermediatheque.jp/ja/schedule/view/id/IMT0004
そうなんです。
MODULE アントロポメトリア(人体測定)、ここも常設と区別する表示もなく、ただ周りと何となく空気が違うかな?
という展示になっていました。
まず、いくつかの人体模型が、シーチングのような色合いの、しかし高級な布で作られた、洗練されたキュビズム的パターンの布を纏っています。
もし私が若くてスタイルが良く、裕福だったら着てみたい縫製です。
とてもとてもエレガントなものでしたよ。
これらの人体模型を包む立体の布は空間の中程にあって、壁面近くの台の上には、仏のアーティスト、イヴ・クライン(1928年ー1962年)が自分の名前を冠した顔料「IKB インターナショナル・クライン・ブルー」の美しい青のピグメントが広口の薬ビンに入って置いてあります。
彼がその色粉を用いて魚拓ならぬ人拓のような平面作品を作ったことは有名ですね。
そこからインスピレーションをうけたドローイング(作者の名前を忘れました)が、郵便局舎時代に使われていた鋼鉄の窓枠で額装され(リ・デザインして)壁に展示されています。
その壁面の並びに、簡素で古めかしい額縁に入った、色あせしみの浮き出たみたいな古い紙が掛けてあるのですが、そのわずかな模様は人の跡であろうと思われます。
3つの額のうちのひとつが、「高橋お伝の刺青の額」というようなタイトルでしたから。(特別展示のところにだけ、タイトルが目立たぬように付随してあるのです)
いつだったか、友人のお母様が東大医学部の展示室で高橋お伝の有名な刺青を見た話をしていたのを思い出しました。
東大の刺青のコレクションの額と、全身刺青の皮の下に敷いてあった紙に違いありません。
つい先週、「隅田川妖怪絵巻」という、市川寛也さんが足立区と連携して実施している「町歩きと妖怪創作」のツアーに参加して小塚原刑場の跡を訪ねて、南千住回向院で吉田松陰や橋本左内、女性では最後の斬首刑になった高橋お伝の墓を見たばかりでした。
同フロアの少し離れたところにある、三次元関数の石膏模型(ドイツ製)
中には石膏デッサンでおなじみの形もあって馴染み深く見ました。
2百台を超える数の多様な湾曲面の作る、白くまろやかな形の美しさは人体の曲線にも通じて魅力的でした。
「インターメディアテク」は、東京駅に隣接していた旧東京中央郵便局舎
(私の大好きなモダニズム建築で、かのブルーノ・タウトも絶賛していたんだって)の2、3階部分をリ・デザインして、骨組みや内装の一部を継承し、長さ66メートル、幅12メートル、階高5.5メートルの大空間をそのまま生かす大展示室としてこの春開館しました。
ここでは分野ごとに分けずに展示物どうしの予期せぬ出会いや、領域内に自閉しない観賞体験が目論まれ、来館者の導線をも想定していないのです。
貝や鉱石標本、骨、剥製、などが好きな人は時間を忘れてしまいそう
入場無料でした。
歴史、自然、芸術、科学、技術の各分野を特化せず、平均化せず
持続可能な共存の可能性を探ってゆくという
運営的には非効率なミュージーアム、敷居を下げないで続いて欲しいと思います。
JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク
http://www.intermediatheque.jp/
JPタワー
旧東京中央郵便局
1931(昭和6)年
設計 : 吉田鉄郎(逓信省営繕課)
施工 : 銭高組、大倉土木
東京都千代田区丸の内2-7-2
南千住回向院 http://ja.wikipedia.org/wiki/回向院