水戸芸術館現代美術センター 曽根 裕《19番目の彼女の足》1993年
"アートが生まれる場"として1990年から機能・存続している水戸芸術館現代美術センターですが、所蔵作品もあります。
「アートセンターをひらく2023ー地域をあそぶ」に展示された複数の作品は、開館以来の展覧会をなぞるような構成になっている。
その中から、個人的に思う事のある作品を紹介しています。
1993年に開催された曽根裕によるこの取り組みは、今となっては目撃証言も少なく(私も見ていない) 、殆ど伝説になっている。
公募で集まった19名が、一見、自転車のように皆で楽しく乗れそうだけれど、連結部が360度稼働するため、実際に人が乗って動かすことは不可能に近いこの作品に、1ヶ月にわたって挑戦した。
いつだったか、参加した人達が残した言葉を読んだが、身体的、精神的な苦闘が綴られていて凄かった。フェチっぽいタイトルから魅惑的な脚を連想してしまうが、彼女の足は青痣だらけなのだろう。
それでも一筋の光を求めて追い続ける何か。
当時、芸術活動における新しいコミュニケーションの形態だった
『ワークショップ』
「ワークショップとは、参加した人の価値観、人生までも変えてしまうような出来事、それに参加すること」
MさんやMさんから発せられたこの言葉はかなり印象的で、私にとって「ワークショップ」の原点というか、縛になっているような気がする。
ゆるいものづくり体験教室が「ワークショップ」と呼ばれるようになって久しいが、自分へのこの縛りもだんだん緩くなって来ているかも知れない。