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ウェビナーレポート 第1回IR大全ウェビナー | 個人投資家 井村俊哉氏 x 機関投資家 河北博光氏

日本の投資家、中小企業診断士、YouTuber、元お笑いタレントで株式会社Zeppy代表取締役社長の井村俊哉氏と機関投資家の河北博光氏の対談ウェビナーを視聴しました。

個人投資家でバリュー投資で有名な井村さんは平均して1年強保有して、2倍を目指すと言うスタイルだそうです。例えば、人口が減っていくと言う理由からネガティブだった地銀の中で一番上がりそうな銘柄を探しにいくなど。情報収集はブログやツイッターなど膨大な数を適時全て何時間もかけて毎日読みこむそうです。

他方で河北さんは、バリュー、シクリカル、グロースが1/3ずつ入っているという運用スタイル。

自分の見方がどれだけ正しいかよりも、どれだけ人と違う考えをしているかを重視しているそうです。理由は、人と違う考え方の場合、外れたとしても大した被害はないということからです。

二人とも徹底的に企業分析を行うタイプでしたが、河北さん曰く、多くの場合、調査というのは行えば行うほど、自分の中での確認度は上がるものの、一定以上調査をやっても正解を得られる確率は上がらないという問題が出るそうです。正解を得られる確率が上がらないまま確信度だけが上がると、自分の考えに固執してしまい逆に判断が遅れるというデメリットが出てきます。つまり人と違う判断をするために深いリサーチをすることが重要なのですが、人と同じ方向で多くのリサーチをしても意味がない訳ということだそうです。

2人とも銘柄をかなり絞り込んでいる投資スタイルだと感じました。河北さんの場合、ビジネスモデル的に問題がある会社には投資しない(例:キャッシュハングリーな会社)ということです。

TOPIXなどのベンチマーク連動を意識しているファンドの場合、ダメな企業でも、ダメ同士の相対比較で投資をしますが、集中投資や小型株投資などを行っている人は、最低でも成長している企業に投資するということです。

河北さんが、発行体への取材で必ず聞いていることとしては、対話の中で何を意識しているかまた、直接でしか感じ取れない要素とは 沿革・歴史・技術的強みなどを具体例に基づき聞いているそうです。

小さい企業や新しい企業はこれが明確な場合が多いですが、大企業になると通り一遍で強みが社内でも共有されていない場合が多いようです。

開示されている戦略が現場で徹底出来ているかを確認しているということです。例えば、社内に貼ってある標語や、形を変えた質問、トイレや廊下などあらゆるところからヒントを得ようとしているなど。キーとなる戦略がまとまっているか、ドライバーがはっきりしているかを確認し、ポイントが絞られていない戦略はワークしないと思っているそうです。

日本株の専門家のお二人の対談はかなり勉強になりました。第二弾も楽しみです。

☑️8/21発売予定『世界標準の資産の増やし方: 豊かに生きるための投資の大原則』 (東洋経済新報社)河北博光著、花輪陽子執筆協力


☑️noteメンバーシップ「週末に投資アイデアを考える」も執筆中




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花輪陽子(FP@シンガポール、経営者、著者)
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