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FPとファンドマネージャーが教える 世界標準の資産運用

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シンガポール在住FPの花輪とシンガポールでヘッジファンドマネージャーの経験がある河北が世界標準の資産運用について語るマガジンです。月数回程度更新予定です。
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#資産形成

人は何歳まで働くべきなのか

花輪さんと「世界標準の資産の増やし方」(東洋経済)を書いてから、人は充実した人生を送るために、いつどのような時期に資産を形成するべきなのか真剣に考えるようになりました。 私は、それまでどちらかというと自分のキャッシュフロー創出力(稼ぐ力)を高めることに興味があり、その力があれば自然にお金は溜まるという考え方をしていました。 今でも私は金額としていくらのお金が必要という考え方よりも、自分のキャッシュフロー創出力(稼ぐ力)を高めることが重要だと考えています。 収入の定義キャ

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情報は咀嚼しながらとる

最近、投資情報の取り方について話をしていて気になったことがあります。 日本人の多くの人たちは優等生だからかもしれませんが、言われていることをそのまま受け止めているようなのです。 これは、学校で先生がおっしゃったことを、そのまま信じることに慣れているからかもしれません。今でも数学の問題などで先生が教えたやり方と異なるやり方で解くと不正解とする先生もいるようなので、そのようなことが影響しているのかもしれません。 私は、夏に出した著書「世界標準の資産の増やし方(東洋経済)」の中

資産配分の変更にETFを使おう!

拡大が続くEFT市場ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では「上場投資信託」と呼ばれます。 投資信託と同じく分散投資が可能で、一般的な投資信託と違い上場していますので、売買タイミングが自由で、一般的には手数料も安く設定されています。 世界で最も成功した金融商品とも言われており、日本でも1995年に日経300指数に連動する商品が上場しました。日経300というとなんだか懐かし感じがします。ただ、当時は法整備なども十分ではなく例外的な金融商品と

市場動向の確認と経済ニュースの注目点(12/15~12/21)

今年も残りわずかとなりました。今週もマーケットの動きと注目したニュースを確認していきますが、この時期は来年に向けた相場のテーマを考えたり、1年間を振り返ったりしたいですね。 少し時間を見つけてその様な記事も書いていきたいと思っています。 <マーケットチェック>クリスマス前は相場参加者も減るため落ち着いた動きになることも多いのですが、今週は日銀・FOMCと金融政策のイベント週だったこともあり、比較的大きな動きとなりました。 マーケットでは米国は来年4回の利下げが2回となり、

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資産の特性を理解する(株式は安全資産?)

株式・債券・商品など自分の資産を何に投資して保有するかは大変重要です。「世界標準の資産の増やし方」の中でもその考え方について、様々な角度から説明しています。 これから何が儲かるのかといった予測に目がいきがちですが、その前に各資産の特性を理解しておくことが大切です。 「世界標準の資産の増やし方」の中ではインフレヘッジ機能について特に詳しく書いていますが、米国の著名投資家であるウォーレン・バフェットがその違いを彼らしい言葉で説明しています。 バフェットは資産を大きく3つに分

市場動向の確認と経済ニュースの注目点(8/11~8/17)

今週はあまりにも急速な株式市場の戻りに驚きました。下げも上げも急なので先日書いたボラティリティと資産配分の話としてはよい事ではないのですが、主体別の売買動向などを見ていると、中期的に日本株が上昇するのではないかと思わせる様な動きも見られました。今週も1つ1つ確認していきたいと思います。 また、岸田首相の総裁選不出馬表明は、秋の衆議院議員選挙の可能性を高めたと考えられます。岸田首相も2021年10月の就任1カ月足らずで衆議院を解散しており、次期首相も早期解散に臨む可能性が高い

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株価下落で機関投資家はどう動く?ボラティリティと資産配分の関係

株式相場の急落によって、投資家が資産配分をどのように変化させる可能性があるかという事について考えてみます。 昨日、「市場動向の確認と経済ニュースの注目点」の中で書きましたように、基準となる資産配分を持っている年金ファンドなどは株式相場の下落で下がった資産構成比を基準となるウェイトに戻すために株を買い増す可能性が高いと考えられます。 一方、多くの投資家がボラティリティの高まりで基準となるウェイト自体は下げなければならなくなる可能性があるとも書きましたが、その仕組みについて説

市場動向の確認と経済ニュースの注目点(8/2~8/10)

今週は皆さんお疲れ様でした。私も想像していなかった激しい相場となり驚きました。多くの人が変動の理由は説明できても、その幅の大きさなどについては理解が難しかったのではないでしょうか。 私も理解できている事、理解できていないことが混在している状態です。相場の部分は自分が理解している事、どこが分かっていないかという事を整理してみたいと思います。 この相場で短期的には損をした人も上手くトレードして利が乗っている人もいると思います。でも、これだけの相場はそうそうないので、こういう時

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市場動向の確認と経済ニュースの注目点(7/28~8/1)

今週末は記事を書くことができないので、8/1までのニュースをまとめさせていただきます。来週は8/2~8/10までの内容で書かせていただきます。 メンバーシップの申し込みはこちら <マーケットチェック>今週は日米の金融政策決定会合に注目が集まっていましたが、中東情勢や中国向け半導体規制に関するニュースが入ってくるなど、相場材料が多く変動が激しくなっています。 簡単にポイントだけまとめておきます。 日銀金融政策決定会合 政策金利の引き上げがサプライズであったため中心に報

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市場動向の確認と経済ニュースの注目点(6/23~6/29)

*メンバーシップ(初月無料)の申し込みはこちら <マーケットチェック> ファンダメンタルズ面では特に好材料はありませんでしたが、週初の3営業日で日経平均が一時1000円以上上昇、海外との比較でも弱含みが際立っていた日本株ですが、この四半期も大崩れせずに終了しました。ただ、来月初めにかけて英国(7/4)、フランス(6/30に第1回投票、7/7に決選投票)、日本の東京都知事選挙(7/7)と政治のイベントが続きます。週末に行われた米大統領候補の討論会でも現職のバイデンが冴えず、現

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ウェビナーレポート 第1回IR大全ウェビナー | 個人投資家 井村俊哉氏 x 機関投資家 河北博光氏

日本の投資家、中小企業診断士、YouTuber、元お笑いタレントで株式会社Zeppy代表取締役社長の井村俊哉氏と機関投資家の河北博光氏の対談ウェビナーを視聴しました。 個人投資家でバリュー投資で有名な井村さんは平均して1年強保有して、2倍を目指すと言うスタイルだそうです。例えば、人口が減っていくと言う理由からネガティブだった地銀の中で一番上がりそうな銘柄を探しにいくなど。情報収集はブログやツイッターなど膨大な数を適時全て何時間もかけて毎日読みこむそうです。 他方で河北さん

市場動向の確認と経済ニュースの注目点(6/16~6/22)

  <マーケットチェック> 金融政策の影響を受けやすい展開が続いていますが、来月初めにかけて英国(7/4)、フランス(6/30に第1回投票、7/7に決選投票)、日本の東京都知事選挙(7/7)と政治のイベントが続きます。各国とも与党の苦戦が伝えられており選挙後の枠組みにも注目です。   株価 今週は米国小売統計が明確に下振れたことで金利が明確に低下傾向となりました。米株を見ていると「Bad news is Bad news」になり始めていますが、これはインフレに対する

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【速報】フランスで何が起こっているの?

昨日、「市場動向の確認と経済ニュースの注目点」の中で懸念を述べていましたが、今日のマーケットが大きく下落しているので、少し解説を加えます。ちなみに私は欧州政治の専門家ではないので、詳しいことはご自分で調べてみてください。私は日本株マネージャーとして現時点で観察できている状況についてです。 欧州はパニックになっている印象で、フランスはCAC大きく下落、仏独の利回り格差も週間で過去最大の29bpsも拡大していますし、ユーロは対ドルで下落しました。足元では金融システムに対する懸念

四季報の読み方

私にとって四季報は季節ごとに届く読み物です。1993年に日本生命に入社し運用部門に配属された時から常に四季報は身の回りにあるわけですが、入社時に「河北君はもう四季報は読んだ?新人は四季報が配られたら最初から全ページ読んで、これを枕にして寝るんだよ」と上司に言われた時には、冗談か本気か分かりませんでした。こんな辞書の様なものを全部読むなんて冗談だよなと思ったのを覚えています。 昔は今のようにデータ分析も充実していなかったので、証券会社の方々が、四季報が出るたびに大きく業績が