「一般参賀」のようなごく当たり前の日本語を英訳するヒント

【本記事は、接客・話すための英語・タイ語教室 横浜サワディーブリッジ(2024年11月30日閉業)のホームページ内コラム「接客の現場から」をnoteに移したものです。】

以前東京駅周辺で総合案内の仕事をしていた頃、皇居に近い駅のため外国人のお客様から度々皇居への行き方を聞かれ、案内していました。

皇居は「the Imperial Palace」と英訳されているのですが、大概のお客様は「the Royal Palace」、「the Grand Palace」と仰っていました。
海外ではその方がピンと来るのかなと思い、私も案内時には「Royal」や「Grand」を使うようにしていました。

1月2日の勤務時は、一般参賀に向かわれるお客様で東京駅は非常に混雑していましたが、そんな事情を知らない外国人のお客様もいらっしゃいました。

通常のご案内の後「本日は一般参賀のため、混雑しています」と伝える必要があると思い、とっさに一般参賀を「New Year Greeting from the Royal family」(皇室による新年のご挨拶)と言ってしまいました。

この時「新年の一般参賀」の正式な英訳は知らず、こう伝えるのが精一杯でしたが、後日以下の宮内庁のホームページを調べたら「New Year Greeting」が使われており、偶然の一致に安心しました。

ごく当たり前の日本語をとっさに英訳するのは至難の業です。そんなときは英語の前に「日本語での意味」を考え、それをストレートに英語にするのがベストだと考えます。

そのヒントを外国人のお客様からいただきました。日本語を話すアジア系のお客様が「天皇陛下のお部屋は?」と聞いてこられたのです。ちょっと飛躍していますが皇居のことだと察し、とっさに道案内をしました。

なるほど皇居の意味をよく考えると確かにそうなるのも頷けますね。
ご参考までに。

接客・話すための英語・タイ語教室
横浜サワディーブリッジ