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「頑張って」をあまり言わない理由

私は日本で生まれ育ち、ザ・昭和末期に教育を受けた人間ですが、「頑張って」というフレーズはあまり使いません。

というより、言わないようにしています。

その理由をポツポツと綴りたいと思います。

「頑張って」と言うとき

「頑張って」とあまり言わないとしているので、相手の方が以下のようなタイミングにあるときは言うときもあります。

●急なお仕事が入って予定をキャンセルせざるを得ないとき

●試験、スポーツ大会、ライブ、発表会、プレゼン、コンテスト、推しとの握手会・写真撮影の前など

これらの機会は、いつも以上にエネルギーを集中させ踏ん張る必要があるではないでしょうか?

但し忘れてはならないのは、
これらは期間と場所が限定されている
いうことです。

人生の中の単発の機会。

だからこそ、力を注ぎ頑張れるのではないでしょうか?


人間はこの世に生まれ落ちて以降、試練に耐えている

先日ラジオを聴いていたとき、「これからの困難な時代を生き抜くには私達はどうしたら良いと思いますか?」というパーソナリティさんからの問いに、あるお寺の住職さまがおっしゃっていた言葉です。

「私は皆さんに頑張ってくださいとは言いません。人間というものは、この世に生まれ落ちてから以降、ずっと試練に耐え続けているからです」

こういう話を普通にサラッとできる世の中になって欲しいですね。

耐えているのは学生さんや大人だけではありません。

赤ちゃんや小さな子供たちだって、何らかのストレスを感じては泣いたり叫んだりしてるんですものね。

頑張り過ぎると自分も他人も傷つけてしまう

過度に自分を追い込み頑張り過ぎてしまうと、自分を傷つけてしまいます。

心はもちろん、体にもその影響が出て病気になってしまう可能性もあります。  

さらに、自分一人で頑張り過ぎると「私がこんなに頑張っているのに、あの人はヘラヘラして」などと他人を恨み、言葉で罵り傷つけてしまう要因を作ってしまわないでしょうか?

過去の職場でも、頑張り過ぎる人を複数見て来ましたが、体を悪くする人、周囲に当たり散らし職場を沈滞化させる人も見てきました。

自分は一人のように思うかもしれませんが、やはり周囲とはつながっています。

決して一人ではありません。


学生時代の頑張りは期間限定だからできたこと

私のように1970年前半に地方で生まれ、80年代に中学高校時代を過ごした世代、あるいはその前後の世代の方は「何事も頑張ることが良いことである」と教わって来たのではないかと思います。

勉強や運動はもちろん、給食だって時間内に全部食べ終わらないと昼休みに居残って食べさせられたこともありました。

失敗は許されず常に完璧を求められたり、偏差値や学歴が一生を左右するものと刷り込まれた方もいたでしょう。

気合いを入れ乗り越えた方も、精神を蝕まれ苦しんだ方もいたと思います。

社会人になっても、学生時代に受けた影響をそのまま持ち込む方もいるようです。

でも、学生時代に出来た頑張りは期間限定だったから出来たのだと思います。

順位だって、場所や環境が変われば簡単に変わってしまうもの。

学生時代の頑張りを上手く利用して相手を鼓舞できる方は、きっとありがたい存在かもしれません。

しかし、精神論や根性論で過度な期待をかけることは本当に相手のためを思ってやっているのでしょうか?

人生「頑張って」と簡単に言えないことも

学生時代に学業、スポーツ共に万能で挫折を味わったことのない方でも、社会に出た後は人生万事上手く行くとは限りません。 

健康体で生まれた方も、予期せぬ災いや事故に巻き込まれてしまうこともあります。

さらに、人間は皆平等に年をとります。老後はいつ終わりが来るか予想がつきません。

若くても年をとっていても、出口の見えないトンネルにいるような、終わりの見えない状況で過ごしている方に「頑張って」とは簡単に言えないものです。

先ほどの住職さまのお話のように、人間はこの世に生まれ落ちてからずっと試練に耐えています。

頑張っていない人なんていないのです。


「頑張って」以外の表現を心にストックしよう

「頑張って」以外の表現を増やして、相手の状況によって使い分けるスキルが欲しいものですね。

「あきらめないで」
「今は休むとき。ゆっくりしてね」
「体大事にしてね」
「ちゃんとご飯食べて寝てね」
「一人じゃないよ」
「大変だったら話くらいは聞くよ」
「周りからも力をもらってね」
「何か必要なものがあれば言ってね」

ありきたりな言葉ですが、ホッとできるフレーズを心にストックしてはどうでしょうか?

最後に、自然界だっていつも晴れの日ばかりではありません。

雨が降らなければ、おいしいお米をいただくことはできないのです。



それでは、今回はこの辺で失礼します。最後までお読みいただきありがとうございました。