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HAYチェアを買った話
入居と同時に買ったYチェアには自分が座り、
サマーセールで見つけたセブンチェアにはお子が座り、
妻は…妻は座るチェアがまだ見つかっていなかった。
この間、ずっと空気椅子で耐え忍び、太ももと体幹をバッキバキに育ててきたのだ。
そんな妻にもようやく良い椅子が見つかった話。
『デンマークブランド』というとまずはRoyal Copenhagenが思い浮かぶ。
その次に、Carl Hansen、Fritz Hansen、Louis Paulsenなどの北欧家具メーカーが並び、
Geroge JensenやRosendahl、Normannあたりを挙げる人もいるかもしれない。
こちらに来るまで存知あげなかったのだが、その3番目くらいのポジションに、日本でも、特に女性に人気のブランドでHAY(読み方は『ヘイ!』)がある。らしい。
曰く、
「インスタやってる女子はみんな知ってる」
そうだ。知らんけど。
巷ではHAYのトートバックが流行りのようだが、コペンハーゲンで暮らしているとHAYは紛うことなき家具ブランドである。
コートハンガーやカラフルなトレイは街中のカフェなどでも使われているのをお目にかかれる。
その他にも店舗に行けばダイニングテーブルやルームランプ、鏡からケトルまである。
もちろんチェアだってある。
いや、むしろチェアがたくさんあったのだ。
HAY店内の家具ゾーンには、「これがThis is the HAY Chairなんだ!」と言わんばかりに、AAC 22がカラーバリエーション豊富に並んでいる。
おわかり…いただけただろうか?
デンマークサイトだと€315、為替の影響もあって49,000円くらいする。
日本ストアで見て見ると…税込み44,000円。
悔しい。悔しすぎる。
何故現地の方が高いのだ…。
デンマークの物価は高い。
本当に高いが、たまに異次元のセールをしているときがあるので、ウィンドウショッピングとブラブラ散歩がやめられない。やめてはならない。
今回、サマーセール渦中、いやそのギリギリ手前くらいの週末、
『SALE』のデカい旗が垂れ下がったStrøget(ストロイエ)にあるHAYに吸い込まれていったところ、この椅子と出会った。
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なんというバランス。
お値段なんと、300DKK。(レシート見直したら400DKKでした…。訂正。)
日本円換算約8,000円だ。
Barでビールを頼めばスモールサイズでも50DKK。
アペロールは一杯100DKK。
美味しいハンバーガー屋のセットは150DKK。
そんな国で、HAYのチェアが400DKK。
これはもう買うしかないと思った。
これはもう買うしかないと思った!!!(2回目)
「買う理由が値段なら買うな。
買わない理由が値段なら買え。」
こんな言葉をたまに聞くが、これは迷った時の言葉である。
400DKKに迷いなんてない。
値段じゃない。
値段じゃないけど、値段だ。
良いものが安いなら買うしかない。
そして、買った。
ACC 22。
Yチェアやセブンチェアのような"通称"は知らない。
仕方がないので、今回はHAYチェアと呼ばせていただく。
HAYでも多くの有名なチェアが出ているようなので「HAYのあのチェア」ではないのかもしれないが、ダイニングチェアとしてHAYで一番使われる、使いやすいのはこのチェアではないだろうか。
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400DKKの理由は終ぞわからずじまいだった。
特にひどく汚れているところもなければ、木が割れていたり、欠けているところも見受けない。
それでも、文化祭のバザーに出された商品のように紙ペラ一枚『400』と書かれたこのチェアは、レジに持って行っても400DKKだった。
こんな破格なので、箱も無ければ袋もない。
仕方がないので、裸のまま、椅子剝き出しのまま、抱えて帰る。
どう抱えるのが運びやすいか、椅子をくるくる持ち回していた際に目に飛び込んできたのは、この子の色みのお名前。
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MELANGE CREAMだって。
なんてオシャレなカラー。
セブンチェアのLavender Blueにも勝るとも劣らない。
本当、いちいちオシャレなんだよな。
このHAYチェア、なにがいいって座面が横に広くかつ少し奥行に勾配があるのでお尻がすっぽり入るのだ。
丸みを帯びているせいで、座っているというよりも入ってるという方がしっくり来るような安心感もある。
子供が座っても横と後ろから落ちることがない。
そして、安定感のある脚。
こんな素敵な椅子がたくさんあるデンマーク。幸せな国だ。
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