1日1建築 ③ 「国立代々木競技場 第一体育館」
✅国立代々木競技場 第一体育館
丹下健三 / 東京都 原宿
✅特徴
1964年竣工。同年開催の東京オリンピックの会場として建てられた国立代々木競技場は、建築家の巨匠・丹下健三氏の代表作の一つでもあります。
第一体育館、第二体育館、室内プールを備える付属棟で構成されています。第一体育館は、世界でも珍しい吊り屋根式、無柱で観客席と競技場との一体感を感じられるつくり。外観はゆるやかながらもダイナミックな曲線が印象的。まるで宇宙船のようにも見えます。鉄、ガラス、コンクリートなどの当時としては新しい材料を用いた"モダニズム建築"で、戦後の高度経済成長期を象徴する近代建築です。
現在は第一体育館、第二体育館の2棟とも重要文化財の申請をしている
✅丹下健三の考え
一体感とは、その一瞬に、選手も観客もすべての人が熱中することだ。一体感を追求した建物の場合、それに水を差すものは不要になる。柱の存在も一体感の妨げになると丹下健三は考え、導き出した回答が屋根を吊り構造にする設計。引っ張る力により屋根を吊り、大空間を実現するもの。