Qiita はなぜここまで退会炎上したのか?
Qiita がまた炎上してしまった。
Qiita のプチ炎上は何度か起こっているが、退会がここまで祭りのように盛り上がったのは初であろう。
Increments社にとっては悪夢の夜となってしまった。
事の発端は https://blog.qiita.com/user-page-renewal の公開。
2020/03/25 22:08 に投稿されたこの記事は、その日のうちにまたたく間に炎上してしまった。
なぜここまで炎上してしまったのだろうか?
積み重なった信用の低下
ここまでの退会騒ぎとなった最たる要因はここだ。
Qiita は少しずつ少しずつユーザーからの信用を低下させていた。
上は2017年5月の記事だ。
Qiita が突然、「技術に関係ない」という理由で多数の記事を非公開へと変更した。
しかしこれの明確なラインが定かではなく、「あの記事は技術が関わる内容なのに非公開になって、あっちの記事はただのポエムなのに残っているぞ?」と納得のいかなさを多くのユーザーに残し、
それまでエンジニアから受けていた技術情報共有サイトとしての支持を自ら崩していった。
また、同時期にそれに応じるようにコミュニティガイドラインを出したのだが、
「Please Don'tーーあなたやみんなが不快な体験をしないためのマナー」に違反した場合は、コメントや記事の非公開、違反行為を繰り返した場合はアカウント停止措置となることもあり得ます。
という曖昧な基準は Qiita への不信を助長することとなった。
極めつけは、2019年12月に起きた、さくらインターネットへの不満の記事を Qiita 側で勝手に非公開にした一件だ。
「さくらインターネット側が公開停止要請をしたのでは?」と騒がれたが、Qiita が独自判断で非公開にしたとわかり、真摯に対応をしようとしていたさくらインターネットにまで迷惑をかけてしまう結果となった。
管理社会としての姿
エンジニアは、コミュニティーのために情報共有をオープンにする姿勢でいる。
時間をかけて見つけた答えに、他者がすぐにたどり着けるようにできれば全体の生産性を上げられるゆえの貢献だ。
一方で、Qiita がユーザーに見せてしまった姿は、Qiita 独自の判断で情報統制がおこなわれるクローズドな管理社会だ。
この結果、エンジニアから Qiita への不信感は積もり続けたまま今日に至り、それがついに爆発してしまった。
今回の件は個人情報の取扱として問題があるが、仮に今までエンジニアからの信用を得続けていたのならば、ただの炎上で済んだであろう。
「退会」という最悪な結果にまで至ったのは、今までのユーザーの不満を放置していたためだ。
「もうアンタとはやっていけない!」と女房から見捨てられた旦那のようになってしまった。
どうすればよかったのか?
記事を勝手に非公開するのやめようよ・・・。
非公開にする記事が民衆の総意(つまり、多数のユーザーから違反報告が上がる荒らしのような記事)ならまだよかった。
Qiita がやってしまったのは、厳格には明文化されていない俺ルールに基づく独裁国家だ。
Qiita としては、技術情報サイトとしての質を上げる施策に注力してしまい、
コミュニティの場としての意識を欠いて運営を続けてしまったのが原因であろう。利用者は人間なのだ。
ところで今回の事件は?
各ユーザーの閲覧した記事の言語割合を表示する機能が実装されたものの、それを非公開にする設定はなく、
Qiita の個人情報の扱いに対するぞんざいさに批判が集中した流れ。
また、深く掘っていくとプライバシーポリシー違反を起こしている。
プライバシーポリシーには Cookie をサービス利用動向の調査に使用すると書かれているのでそこに準拠していると私は思っていたが、
上記のクッキーやウェブビーコンの中には、第三者企業が直接情報を取得するものも含まれ、そこで収集されるクッキー情報については当社に提供・開示されることはなく、第三者企業が定めるプライバシーの考え方にしたがって管理されます。当該ツールによる個人の識別はされず、匿名のデータの形で扱われます。
この文章に従うのなら、ユーザーごとの閲覧記事情報を Qiita 側が表示できるのはおかしな話となる。
最初に紹介した『ユーザーページをリニューアルしました』内では
※読んだ記事情報を出したくない場合、https://www.treasuredata.co.jp/privacy/ よりオプトアウト(利用停止)をお願いします。
と書かれているので、Cookie を自身は保管せず Treasure Data に送っている仕組みだと思われるのだが……。
[教えてくださったまいんさん、ありがとうございます]
最後に
サイト運営はコミュニティ運営だ。
ユーザーの気持ちに向き合うことを怠ったまま年月が過ぎれば、いつかはコミュニティが破綻してしまう。
Qiita はこれから変わっていく必要があるだろうし、Web サービスに関わる私としても、ユーザーに近い位置に身を置くという基本を忘れてはならないな、と思わせてくれる事件だった。
最後の最後に
Qiita のアカウントを削除する前に記事のエクスポートをして、はてなブログとかに投稿してくださいお願いしますなんでもしま!!!!!!!!!
上のライブラリの紹介記事
インターネットから情報が減るのがつらいです・・・
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